Geeksウェビナーの詳細はこちら

詳細



0 件
プロ野球

【プロ野球】投手の左右に影響されない打者は?組み合わせ毎のOPSランキング



目次
投打左右の組み合わせの違いによるOPSの比較
右打者:投手の左右に影響されない安定した成績
左打者:左投手に対して結果を残せる選手がポイント
打線に厚みを出せるかが勝敗の鍵

投打左右の組み合わせ毎の成績を比較すると、「左投手対左打者」では投手が有利であることがわかった。裏を返すと、左投手に対しても好成績を残せる左打者はかなり貴重な存在であるといえる。
参考:左対左は投手が有利?ワンポイントリリーフの有効性についてプロ野球データで検証

今回は、プロ野球昨シーズンのOPSのデータを使い、対右投手・対左投手それぞれに強い打者を探っていく。

投打左右の組み合わせの違いによるOPSの比較

まずは昨シーズンのプロ野球のデータから、投手の投球腕の違いによる右打者・左打者それぞれのOPSを比較する(表1)。

表1 投打左右の組み合わせ毎のOPSの比較
投打左右の組み合わせOPS
投手 vs 打者0.734
投手 vs 打者0.710
投手 vs 打者0.748
投手 vs 打者0.648

右打者は左右どちらの投手との対戦においても高いOPSを記録していた。一方、左打者は左投手と対戦した時のOPSが右投手と対戦した時と比較してかなり低かった。「左投手対左打者」では圧倒的に投手有利であることがこの結果からもわかる。

昨シーズンのNPB個人別OPSランキングをみてもトップ10に右打者が8人ランクインしており、長打を打つことに関しては右打者の方が優れているといえるだろう(表2)。

表2 NPB個人別OPSランキング。データは2019年のもの
順位選手OPS
1鈴木 誠也1.018
2坂本 勇人0.971
3山田 哲人0.961
4グラシアル0.960
5森 友哉0.959
6吉田 正尚0.956
7ブラッシュ0.936
8バレンティン0.917
9山川 穂高0.911
10ソト0.902

100打席以上が対象。今シーズンNPBに在籍

右打者:投手の左右に影響されない安定した成績

ここからは、投打左右の組み合わせにおけるOPSランキングについて考察していきたい。まずは、投手の投球腕毎の右打者のOPSランキングをみてみる(表3)。

表3 右打者のOPSランキング(対右投手、対左投手)。データは2019年のもの
順位対右投手OPS対左投手OPS
1山田 哲人0.943グラシアル1.362
2磯村 嘉孝0.928鈴木 誠也1.196
3岡本 和真0.919ブラッシュ1.186
4ソト0.916福田 永将1.151
5グラシアル0.902デスパイネ1.121
6北條 史也0.893バレンティン1.120
7坂本 勇人0.891坂本 勇人1.073
8ブラッシュ0.886川島 慶三1.065
9鈴木 誠也0.876ロメロ1.053
10中村 剛也0.864山田 哲人1.051

50打席以上が対象。今シーズンNPBに在籍

対右投手のOPSランキング1位は山田(ヤクルト)、対左投手のOPSランキング1位はグラシアル(ソフトバンク)であった。組み合わせのランキングを比較すると、基本的に対左投手のOPSのほうが高かった。対左投手のOPSはトップ10が全員1.000を超えており、左投手対右打者は基本的に打者有利な組み合わせであるのだろう。

打席数が少ない打者の中では川島(ソフトバンク)が対左投手で8位にランクインした。「左キラー」と呼ばれる理由がわかるだろう。磯村(広島)も対右投手に対して2位のOPSを記録しており、打席数こそ少なくともここ一番という時に結果を残せる選手の存在はチームの得点力の底上げにつながるだろう。

左打者:左投手に対して結果を残せる選手がポイント

続いて、投手の投球腕毎の左打者のOPSランキングをみてみる(表4)。

表4 左打者のOPSランキング(対右投手、対左投手)。データは2019年のもの
順位対右投手OPS対左投手OPS
1吉田 正尚1.026森 友哉1.018
2梶谷 隆幸0.996筒香 嘉智0.953
3村上 宗隆0.987鈴木 大地0.945
4高橋 周平0.945福田 周平0.922
5丸 佳浩0.940西川 遥輝0.830
6森 友哉0.937秋山 翔吾0.817
7亀井 善行0.927近藤 健介0.787
8阿部 慎之助0.920茂木 栄五郎0.784
9マーティン0.909丸 佳浩0.773
10柳田 悠岐0.895大島 洋平0.769

50打席以上が対象。今シーズンNPBに在籍

対右投手のOPSランキング1位は吉田(オリックス)、対左投手のOPSランキング1位は森(西武)であった。組み合わせのランキングを比較すると、対左投手のOPSが低い。NPB個人別ランキングにて6位のOPS(0.956)を記録した吉田も対左投手時には0.719と成績を落としていることからも、やはり基本的には左投手対左打者の組み合わせでは圧倒的に投手有利であるといえる。

これを踏まえると、左投手との対戦でOPS1.018と好成績を残している森がいかに貴重な存在かということがわかる。また、打席数の兼ね合いでランク外となったが、柳田(ソフトバンク)も対左投手のOPSが1.267と非常に高い。投手有利な左投手との対戦時に高いOPSを記録できることは、チームの得点力アップに確実に貢献しているといえるだろう。

打線に厚みを出せるかが勝敗の鍵

今回は、投打左右の組み合わせにおける打者のOPSランキングとその特徴について考察してきた。打者有利・投手有利な組み合わせが存在するが、投打左右の組み合わせに関係なく好成績を残せる打者を1人でも多く打線に組み込めることは、チームの勝敗を大きく左右するだろう。次回は、打者有利な組み合わせにおいてでも好成績を残している投手を探っていきたい。

スタンダードプランに登録無料すると

記事の続きや、コメントを読むことができます。

Baseball Geeks編集部