楽天の新外国人投手シャギワを分析!高速変化する速球でゴロを量産
2014年以来のリーグ優勝を狙う楽天にロサンゼルス・ドジャースのJ.T.シャギワ投手の加入が決定した。2018年は39試合、2019年は21試合に登板するなど実績十分な中継ぎピッチャーである。今回はシャギワの特徴をトラッキングデータから分析していく。
参考:楽天の新外国人ブセニッツを分析!真縦に落ちる高速カーブが武器!
投球の軸はスライダー!
まずは各球種の球速と投球割合をみていく(表)。平均球速は全ての球種でメジャー平均を大きく上回っている。
球種 | 球速 (km/h) | 球速 (%) | 投球割合 (%) |
---|---|---|---|
4シーム | 153.7 (150) | 99.3 (100) | 9.3 |
2シーム | 154.8 (150) | 100 (100) | 32.0 |
スライダー | 139.6 (136) | 90.2 (91) | 58.8 |
2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均
また、投球割合はスライダーが全体の約6割を占めている。また、次いで2シームが高く速球は1割以下である。ほぼスライダーと2シームのみで投球を組み立てるシャギワは、4シーム主体の日本球界で異質の存在になるだろう。
速球系球種でゴロを量産!
次に、各球種のボール変化量からシャギワのボールの特徴を見ていく(図)。シャギワの速球系球種(4シーム、2シーム)はシュート成分が大きく、いわゆる打者の手元で動くタイプのボールである。高速に小さく変化するためゴロを量産することができる球質であろう。
スライダーは縦方向に小さく落ちる球質である。変化自体は小さいが、速球系球種のシュート成分が大きいため打者は変化を大きく感じるかもしれない。縦変化の大きなボールがないため、高低よりも左右の揺さぶりで勝負するタイプかもしれない。
参考:メジャーリーガーの平均的なボールって?
日本では稀なピッチングスタイルに期待!
ここまでシャギワの投球を分析してきたが、日本では珍しくスライダーを軸に投球を組み立てる投手であった。高速な2シームや変化の小さなスライダーを駆使してピッチトンネルを構成するため、制球次第では打者がゴロを量産するであろう。終盤のピンチの場面を併殺で切り抜けるような投球が今から思い浮かぶ。異彩なタイプのシャギワの投球に期待したい。
動画:シャギワのメジャー時代の投球。三振を奪ったのは投球割合が最も多いスライダーである。
J.T.シャギワのプロフィール
J.T.シャギワ Jon Thomas Chargois
1990年12月3日生まれ、29歳、右投両打
ツインズ2016-ドジャース2018-楽天2020
メジャー通算成績
85試合 4勝5敗 防御率4.58(2016~2019)
Baseball Geeks 編集部