【セ・リーグ】6月のポジション別OPSを分析!ヤクルトは3つのポジションでリーグトップ
前半戦終了まで残り1か月を切ったプロ野球。今回は、6月の各チームのポジション別OPSをみていく(6月25日までの試合を対象)。そして、それぞれのチームと注目選手を紹介するとともに、この1ヶ月でポジション別OPSがどのように変化したのか振り返る。
ヤクルト・村上の勢いが止まらない
まず、Aクラス球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表1)。
2位に10ゲーム以上の差を付け、すでにマジックを点灯させたヤクルトは、二塁手・三塁手・中堅手の3つのポジションでリーグトップのOPSを記録した。主に出場していたのは、山田哲人(二塁手)、村上宗隆(三塁手)、塩見泰隆(中堅手)らだ。特に村上は、すでに29本塁打・78打点(7月6日時点)と、打撃2部門でリーグトップを独走している。OPSが0.500を下回るポジションが存在せず、打線に穴という穴がないことがヤクルトの強さの秘訣だろう。
参考:ヤクルト村上宗隆をレジェンド選手と比較!4年目に求められる成績とは?
2位の読売は、遊撃手・左翼手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは、坂本勇人(遊撃手)、ウォーカー(左翼手)らだ。ウィークポイントとなっているポジションは、捕手だろう。捕手として主に出場していた小林誠司は、6月の成績が29打席で打率0.00と絶不調であった。6月24日以降は大城卓三が主に出場している。改善に期待だ。
参考:【セ・リーグ】5月のポジション別OPSを分析!各チームの強みと弱みは?
3位の広島は、捕手のOPSがリーグトップであった。捕手は、會澤翼・中村奨成・石原貴規・坂倉将吾、そして今月支配下登録されたばかりの持丸泰輝と、実に5人もの選手がスタメン出場していた。激化するスタメン争いを勝ち抜く選手はいるのだろうか。弱点となっているのは、小園海斗が主に出場していた遊撃手だ。好不調の波を少なく出来るかが、今後の課題だろう。
参考:【プロ野球】少数精鋭の広島と多くの打者にチャンスを与える日本ハム!ファーム打者の出場機会の平等性を分析
DeNA・蝦名はブレイクの予感
次に、Bクラス球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表2)。
4位の阪神は、一塁手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは大山悠輔だ。6月は打率は0.318、本塁打10本と大車輪の活躍をみせた。また、投手のOPSもリーグで最も高くなっていた。6月2日の西武戦で猛打賞を記録したガンケルの打席は今後も注目したい。交流戦では2位と好成績を納め最下位を脱した阪神が、ここからAクラスに定着するのか目が離せない。
5位のDeNAは、右翼手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは蝦名達夫だ。6月は82打席に立ち、打率.310と好成績を残しブレイクの予感だ。一方、主に嶺井博希が出場していた捕手は、弱点となってしまっている。また、5月までDeNAの強みであった二塁手も、6月は成績を落としてしまった。主に出場していた牧秀悟は、開幕からほとんどの試合で四番を任されており、疲労もあるだろう。これらの選手の復調が、DeNA浮上のカギとなりそうだ。
最下位に沈んでいる中日は、全体的にリーグ平均と比べてOPSが低いポジションが多くなってしまっており、打線の中心となる打者がいない状況だ。実際に2か月連続で平均得点がリーグワーストと、苦しい戦いを強いられている。特に、二塁手や右翼手のOPSは5月と比べて大きく下がってしまっている。しかし、3位までのゲーム差はまだ5ゲーム(7月6日時点)と、Aクラス浮上の可能性は充分にある。これからの奮起に期待したい。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~6月編~
前半戦をAクラスで折り返すチームは?
ここまで、セ・リーグの6月のポジション別OPSをみてきた。セ・リーグの貯金を独占しているヤクルトに対し、2位から6位までは混戦が続いている。前半戦をAクラスで折り返すチームはどのチームとなるのか、今後首位の入れ替わりが起きることはあるのか、目が離せない。
Baseball Geeks編集部