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プロ野球

DeNAの新外国人ブルックス・クリスキーを分析!大きく落ちるスプリットは空振り率5割!



目次
4シームの平均球速は150キロ超え!
懸念材料はコントロール
新天地でフル回転できるか!

昨シーズンのDeNAは、開幕から苦しい戦いが続き、最下位でシーズンを終えた。得点力は新人特別賞を受賞した牧秀悟などの活躍もありリーグ2位と良かったが、1試合あたりの平均失点は「4.40点」とリーグ最下位。そんな投手力の改善を図るべく、ブルックス・クリスキーを獲得した。

クリスキーは昨シーズン、ヤンキースとオリオールズで合わせて12試合に登板し、2勝1敗、防御率14.29という成績であった。3Aでは25試合に登板し、1勝1敗、防御率3.68という成績を残した。今回は、クリスキーのメジャー時代の投球をトラッキングデータから分析していく。
参考:【ドラフト特集2021】セ・リーグ各球団の現状とドラフトを振り返り!

4シームの平均球速は150キロ超え!

まず、平均球速と投球割合をみていく(表1)。4シームの平均球速はメジャー平均を超えており、プロ野球ではかなり速い部類となる。投球割合をみると、4シームとスプリットが大半を占めており、主にこの2球種で勝負しているようだ。
参考:【2021年】球速アップのメリットとは?データからその重要性を再確認!

表1 クリスキーの各球種の平均球速と投球割合

2021年のデータを分析。カッコ内はメジャー平均

続いて、変化量をみてみる(図2)。最も投球割合の高い4シームは、メジャー平均よりもホップ成分が大きく、シュート成分が小さい。これは、いわゆる「伸びる」ボールであり、非常に高速であることも相まって空振りを奪いやすい球質だろう。スプリットは、メジャー平均よりも落ちる球質だ。昨シーズンは、空振り率50%を記録しており、クリスキーの決め球といえる。ただし、変化量のばらつきが大きくあまり安定していないようだ。

図1 クリスキーの各球種のボール変化量

懸念材料はコントロール

リスク管理表をみると、完全アウトはメジャー平均ほどであった(図2)。大きく落ちるスプリットはやはり大きな武器だろう。一方、ゴロの割合はとても低くなっている。4シーム・スプリットともにゴロを打たせるのに向いている球質ではない。併殺が欲しい場面など、意図的にゴロを打たせたい場面で使える球質のボールが欲しいところだ。
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析

図2 クリスキーの2021年のリスク管理表

また、11.1イニングで7本の本塁打を打たれてしまっており、本塁打の割合が非常に高いのも懸念点だ。本塁打を打たれた7球は、全て真ん中から高めの4シームであった。主に2球種しか投球しないため、山を張られやすいのかもしれない。

最後に、スプリットの到達位置をみてみる(図3・4)。スプリットは、ストライクゾーンに多く投球されていたことがわかる。一方、空振りを奪えているのは、低めのボールゾーンに上手くコントロールされているスプリットだ。メジャーレギュラーシーズン最多タイとなる1イニング4暴投を記録するなど制球に難があるようだが、このスプリットをうまく扱えるかが活躍へのカギになりそうだ。

図3 クリスキーのスプリット到達位置(全投球)
図4 クリスキーのスプリット到達位置(空振り)

※赤いエリアほど投球率が高い。

新天地でフル回転できるか!

今回は、DeNAへの入団が決まったクリスキーのメジャー時代の投球をみてきた。エスコバー・砂田毅樹・三嶋一輝・山崎康晃らがいるなかで、昨シーズンは守護神が定まらなかったDeNAリリーフ陣。クリスキーが救世主となれるのか注目だ。

ブルックス・クリスキー

Brooks Kriske
1994年2月3日生まれ 右投右打
ヤンキース(2020-2021)ーオリオールズ(2021)ーDeNA(2022-)
【メジャー通算成績】16試合 2勝1敗 防御率14.40

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Baseball Geeks編集部