2021年セ・パ交流戦振り返り【投手編】
熱戦が続いた今シーズンのセ・パ交流戦はオリックスの優勝で幕を閉じた。交流戦の期間は普段とは違い、リーグが異なるチームと試合をする期間だ。パ・リーグのチームの主催試合では、指名打者を使うことができることや、反対にセ・リーグの主催試合では、投手が打席に立たなければならない。こういった普段のペナントレースと違った試合が行われることがこの交流戦の醍醐味であり、プロ野球ファンの楽しみの1つではないだろうか。
今回は、今シーズンの交流戦の振り返りとして「投手」に注目したい。
参考:2021年セ・パ交流戦振り返り【打者編】
交流戦優勝のオリックスが2つの項目で1位!
まず、今シーズンの交流戦におけるチーム投手成績をみていく(表1・2)。
交流戦優勝のオリックスが最も多くの三振を奪い、与四死球は最も少なかった。防御率でも5位となっており、エースの山本由伸ら投手陣の安定した成績が優勝の要因の1つであろう。被本塁打1位は、中日で6本と強力投手陣は健在だ。チーム防御率1位は、ソフトバンクで3.04と2位の日本ハムに大きな差をつけている。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~5月編~
※順位は交流戦チーム順位
防御率1位であったソフトバンクだが、けが人の続出などによりチーム順位では11位、チーム打率最下位と苦しんだ。
チーム防御率・チーム与四死球で最下位となった広島は、交流戦期間中に新型コロナウイルスにより多くの選手が離脱したことが影響してしまったようだ。
交流戦投手ランキング
次に、交流戦期間内での投手の個人成績を先発と中継ぎに分け、ランキングした。
先発投手ランキング!ルーキー日本ハム伊藤が防御率1位!
まずは、先発投手の防御率ランキングだ(表3)。
トップは、ドラフト1位ルーキーの伊藤大海(日本ハム)だ。交流戦期間中3登板3勝、全ての登板で1失点と安定した成績を残した。シーズン序盤は、打線の不振もあり上手く勝ち星を積み上げることができなかったが、交流戦を機に伊藤の投球にさらに期待が膨らむだろう。また、同チームの上沢直之もランクインしており、巻き返しを図る日本ハムに注目だ。
参考:日本ハム・ドラ1苫小牧駒大伊藤大海が語る!技術を言語化し、自ら情報発信する理由とは?
※18イニング以上。防御率順
続いて、2位は濵口遥大(DeNA)だ。濵口は今シーズンDeNAの開幕投手を務めた選手だ。交流戦は3登板し、6月11日の日本ハム戦では完投勝利をあげるなど、計2勝をあげた。DeNAは交流戦3位で、濵口や今シーズン怪我から復帰して本ランキング5位の今永昇太らを中心として巻き返しを図っており、今後のセ・リーグ順位争いに目が離せない。
3位は、同じセ・リーグで小笠原慎之介(中日)だ。中日は今シーズンも強力な投手陣を誇っており、ほかにも8位で柳裕也がランクインしている。
4位は、11年ぶりに交流戦を優勝したチーム、オリックスのエースである山本由伸(オリックス)だ。
中継ぎランキング!無失点記録を続ける西武平良が1位!
次に、中継ぎ投手のランキングだ(表4)。
1位は、平良海馬(西武)だ。平良は現在34試合連続無失点のパ・リーグタイ記録を達成し(6月20日現在)、開幕から無失点の記録を継続してる。今シーズンの西武は、守護神の増田達至の離脱や、リード・ギャレットの不調により、平良が抑えとして試合の最終盤に登板する機会が多くなっている。今シーズン、獅子奮迅の活躍を残している若獅子に今後も大注目だ。
※5登板以上。防御率順でイニング数が多い順
続いて2位は、チアゴ・ビエイラ(読売)だ。今シーズンは主に抑えの役割を担っており、彼の気迫溢れる投球に注目が集まっている。1位の平良よりもイニング数は少ないが、奪三振数では上回った。なんと奪ったアウトのうち三振が約半分を占めるという投球をみせ、安定した成績を残した。
3位は、河野竜生(日本ハム)だ。今シーズン序盤から中継ぎに転向し、安定した成績を残している左腕だ。交流戦期間中、なんと8イニング投げ、無四球被安打1という圧巻の投球をみせた。
交流戦の勢いはどこまで続くのか!
ここまで、今年の交流戦の投手成績をみてきた。交流戦が終了し、オールスターまで残り1ヵ月を切った。チームが不調気味であったDeNAや日本ハムから選手がランクインした。特にDeNAは交流戦のチーム順位が3位と復調してきており、今後の巻き返しに注目だ。
Baseball Geeks編集部