2021年セ・パ交流戦振り返り【打者編】
昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり2年ぶりとなった交流戦は、オリックスの優勝で幕を閉じた。「1056日ぶりに貯金を作り、リーグ3位に浮上」と、オリックスの選手そしてファンにとっては最高の交流戦となったことだろう。また、セ・リーグの2009年以来の勝ち越しも大きな話題となった。では、交流戦ではどのような選手が活躍したのだろうか。今回は、交流戦での「打者」について振り返る。
チーム打率1位はDeNA!
まず、交流戦でのチーム打率と本塁打数をみてみよう(表1)。チーム打率1位はDeNAで3割近い打率を残している。スタートダッシュに失敗し開幕から定位置となってしまっていた最下位を脱し、調子は確実に上がってきている。チーム本塁打数1位は西武だ。岸潤一郎や愛斗といった若手選手も多くの本塁打を放ち、後半戦で調子を上げた。
一方、ソフトバンクはチーム打率最下位と得点力不足に苦しんだ。交流戦順位も11位と振るわず、首位の座を楽天に譲ることとなった。チーム本塁打数は唯一の一桁で日本ハムが最下位だ。本塁打を複数放った選手は王柏融のみと、少し寂しい結果となった。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~5月編~
交流戦「打者」ランキング!
打率1位は4割超えのビシエド!
次に、交流戦打率ランキングをみてみよう(表2)。1位のビシエド(中日)は4割超えで、和田一浩が持っていた交流戦打率4割の球団記録を塗り替えた。開幕から得点力不足に悩む中日打線で頼もしい存在だ。2位の森友哉(西武)は、6月1日・2日の読売戦で2試合連続の猛打賞を記録するなど、交流戦でさらに調子を上げた。3位の福田周平(オリックス)は、6月14日の広島戦で決勝の先制適時三塁打を大学の後輩である森下暢仁から放ちチームを交流戦優勝に導いた。また、出塁率は驚異の5割であった。
参考:【パ・リーグ】5月のポジション別OPSを分析!西武が3ポジションでトップを記録!
規定打席(チーム試合数×3.1)以上の選手を対象。
本塁打数トップは7本の4人!
続いて、交流戦での本塁打ランキングをみてみよう(表3)。1位は7本の、オースティン(DeNA)・山田哲人(ヤクルト)・岡本和真(読売)・村上宗隆(ヤクルト)であった。1位となった選手が2人名を連ねるヤクルトクリーンナップは、相手投手にとっては脅威だろう。そして、DeNAの外国人コンビも揃ってランクインしており好調なようだ。また、ゴールデンルーキー佐藤輝明(阪神)も6本でランクイン。特に、5月28日の西武戦での3本塁打は大きな注目を集めた。
<番外編>投手の打撃成績は?日本ハム加藤が2安打!
普段打席に立つことのないパ・リーグの投手の打席を見ることができるのも、交流戦の楽しみの一つだろう。そこで番外編として投手の打撃についてみてみたい(表4)。この交流戦期間に打席に立った投手は75人。うち11人がヒットを放った。また、加藤貴之(日本ハム)・横川凱(読売)・石川柊太(ソフトバンク)・アルカンタラ(阪神)・宮城大弥(オリックス)の5人は公式戦初ヒットを記録した。加藤は唯一複数安打を放っている。3試合に登板して3敗を喫した投球内容の一方で、打撃では存在感をみせられたのではないだろうか。
*は2塁打
交流戦好調のチームの勢いはどこまで続く?
ここまで、今年の交流戦の打撃成績をみてきた。前半戦終了そしてオールスターまで残り1か月を切った。交流戦で勢いを取り戻したオリックスやDeNAの躍進が続くのか、はたまた他のチームが勢いづくのか、目が離せない。
Baseball Geeks編集部