支配下登録を勝ち取った投手の二軍成績は?ソフトバンク大関に期待!
オリンピック期間の試合中断の影響で、例年より一ヶ月遅い8月31日が支配下登録の期限であった今シーズン。2月から8月31日までの間に、16人の投手が育成から支配下登録を勝ち取った。今回は、シーズン開始時に育成登録だった投手が、二軍でどのような成績を残しているのかを探っていく。
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【防御率】ソフトバンク大関がトップ!
まず、「防御率」のランキングをみてみよう(表1)。
トップは、大卒2年目の大関友久(ソフトバンク)だ。5月末に支配下契約を掴むと、6月4日には一軍デビューを果たし、6試合(9.1回)で防御率1.93という成績を残している。ソフトバンクといえば、オリンピックでも活躍をみせた千賀滉大を筆頭に、多くの育成出身選手が活躍している。大関もそれに続けるか注目だ。
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30投球回以上の選手を対象。太字は支配下登録された選手
2位は、宮城滝太(DeNA)だ。昨シーズンは、イースタン・リーグでトップタイの5勝を挙げた。今年で育成3年目のため、オフの動向が気になるところだ。3位には、高卒4年目の森遼大朗(ロッテ)がランクイン。二軍で17試合に先発し両リーグ最多の10勝を挙げており(9月24日現在)、イースタン・リーグ優勝にも大きく貢献した。来年以降、支配下登録の可能性が高い選手だろう。
【K/9】またまたソフトバンク大関がトップ!
次に、「K/9」のランキングをみてみよう(表2)。K/9は、三振を9イニング(1試合換算)で何個奪うかを表す指標だ。三振は、打球イベントが発生しないため、投手のリスク管理として一番有効である。
1位に輝いたのは、防御率と同じく大関だ。9月23日には、二軍でプロ初完封勝利。一軍で活躍をみられる日が待ち遠しい。
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30投球回以上の選手を対象。太字は支配下登録された選手
2位には、高卒4年目の東晃平(オリックス)がランクイン。二軍で15試合に先発しており(9月24日現在)、ローテーションを守っている。来年以降、支配下登録される可能性も高いのではないか。3位は田中健次朗(DeNA)だ。2019年の夏にトミー・ジョン手術を受け、治療に専念するために育成契約となっていたが、今年の6月に支配下に復帰。9月12日には、1092日ぶりの一軍での登板を果たした。2016・17年は60試合以上に登板する活躍を見せた田中の復活が楽しみだ。
【BB/9】DeNA宮國がトップ!
最後に、「BB/9」のランキングをみてみよう(表3)。BB/9は、四球を9イニング(1試合換算)で何個与えるかを表す指標だ。この値が小さいほどコントロールが良い投手だといえる。
トップは、2位に大差をつけて宮國椋丞(DeNA)だ。8月末に支配下登録され、9月7日に一軍で1518日ぶりの白星を掴み大きな話題となった。四球を出さない安定したピッチングが、支配下登録につながったのではないか。一軍で先発ローテーションに定着することを期待したい。
30投球回以上の選手を対象。太字は支配下登録された選手
2位はプロ1年目の21歳、戸田懐生(読売)だ。6月に支配下登録を勝ち取ると、一軍での登板も経験し、3試合(3回)で防御率0.00という成績を残している。一軍でまた見たい選手だろう。3位には、またしても大関がランクイン。4位は本前郁也(ロッテ)だ。2年目となる今年は3月に支配下登録を掴み、4月1日の楽天戦では5回4失点でプロ初勝利を挙げた。優勝争いをしている一軍に再昇格することはあるのか注目だ。
支配下登録を掴んだ投手に注目!
今回は、2021年2月時点で育成契約であった投手の、二軍での成績についてみてきた。各指標のランキングで上位にランクインした選手は、支配下登録を勝ち取った選手も多かった。セ・パともに優勝争いが佳境に向かう中で、それらの選手が一軍で活躍をみせるのか注目だ。
Baseball Geeks編集部