Geeksウェビナーの詳細はこちら

詳細



1 件
MLB

即戦力大型内野手、加藤豪将のドラフト指名はあるか?打率3割を記録したマイナーでの成績を紹介



目次
将来を期待される大谷世代の大型内野手
アベレージを残せるユーティリティ
気になる指名順位は!?
加藤豪将の来シーズンの拠点は

ドラフト会議まで残り一週間をきり、要注目のドラフト候補が取り上げられることも増えている。本記事では意外性のある候補として、メッツ傘下に所属する加藤豪将(かとうごうすけ)を紹介する。加藤は今季初のロースター入り(メジャー昇格)を果たし、メジャー初安打も記録したメジャー経験者だ。加藤はどのような選手で、どれくらいの順位で指名されるのか、考察をしていく。

将来を期待される大谷世代の大型内野手

加藤豪将は1994年生まれ。世代としては大谷翔平と同じ学年にあたる。アメリカ生まれで両親が日本人であるため、アメリカと日本の双方の国籍を所持している。アメリカの高校を卒業し、2013年のメジャーリーグのドラフト会議でヤンキースから2巡目(全体66位)で指名された。主な守備位置は二塁手。身長が188cm、体重が91kgあり、大型内野手といえるだろう。

マイナーリーグで着実にステップアップをし、2022年シーズンでは開幕ロースター入り(メジャー昇格)を果たす。メジャーでは9試合に出場、7打数で1安打と初安打も記録した。日本国籍をもつ選手でメジャーリーグのドラフトで指名されてメジャー昇格するのは初、プロ野球を経由していない野手がメジャー昇格するのも初と、まさに異色の経歴をもつ選手といえるだろう。

注:ドラフトのルールについて
プロ野球の球団が加藤を獲得するためには必ずドラフトで指名する必要がある。というのも、日本国籍を所有する選手は(海外育ちであっても)ドラフトで指名されて入団するルールがあるためだ。助っ人選手のようにシーズン途中で獲得することはできない。また、海外チームに所属する選手にはプロ野球志望届に該当するものは存在しないため、本人の希望の有無に関わらず指名することが可能である。ただし、海外選手を指名する予定がある球団は事前にコミッショナーに通知する必要があり、情報を伏せて一本釣りする"隠し球指名"はできないようになっている。

アベレージを残せるユーティリティ

加藤の略歴を確認したところで、気になる加藤の成績について見ていこう。ここ2年のAAAでの成績を表1に示した。比較のために、プロ野球で二塁手や遊撃手として出場しているエチャバリア(ロッテ)、アルカンタラ(日本ハム)、バレラ(オリックス)がAAAで記録した成績も併記する。

表1 加藤豪将のAAAでの打撃成績

2021年の加藤は打率3割を上回り、OPSでも高い値を記録した。助っ人外国人に引けを取らない成績を残しており、日本球界でも十分活躍を期待できるだろう。長打力を期待されているアルカンタラに比べると本塁打数は少なく、どちらかというとアベレージを残すタイプの選手といえるだろう。今シーズンは不調にあえいでいるが、コンスタントに出場機会は得ておりAAAの主力選手といえるだろう

続いて、加藤の守備位置を確認する(表2)。AAAでは二塁を中心に、一塁・三塁・遊撃・外野の守備についている。ユーティリティプレーヤーとして、選手起用に幅を持たせることが可能な選手といえる。内野の層が薄いチームや、打力を計算できるバックアップが欲しいチームにはもってこいの選手といえるだろう。

表2 加藤豪将のAAAでの守備試合数

気になる指名順位は!?

では最後に注目される指名順位について、過去の逆輸入選手を例に考察していく。

海外経由でドラフト指名される選手は数年に1人いるのが現状だ。有名な例としては、G.G.佐藤(フィリーズ傘下→西武:2003年7巡目)や山口鉄也(ダイヤモンドバックス傘下→読売:2005年育成選手1巡目)、近年では沼田拓巳(ドジャース傘下→日本独立リーグ→ヤクルト:2017年8巡目)が挙げられる。ただし、AAA以上を経験している選手がドラフト指名されることは極めて珍しく、過去に4例しか存在しない(表3)

表3 過去にドラフト指名されたAAA経験者

メジャーリーグで先発経験のあるマック鈴木や多田野数人は上位で指名されている。一方、メジャーでは中継ぎ起用だったマイケル中村は中位での指名、メジャー昇格がかなわなかった竹岡は下位での指名となっている。ドラフトの指名順には様々な要素が絡むためあくまで一般的な評価となるが、AAAでの主力選手の評価はドラフト中位に相当するのではないかと思われる。ドラフトは将来性も考慮して指名されるため、オールドルーキーの指名順位は控えめになることも考えられる。

加藤豪将の来シーズンの拠点は

ここまで、メッツ傘下で活躍する加藤豪将について紹介してきた。AAAではコンスタントに出場機会を得ており、もし日本球界へ逆輸入されたら即戦力の内野手として大きな期待を寄せられることだろう。果たして指名はされるのか、指名された場合に入団するのか、異色のキャリアを歩む28歳に注目が集まる。

スタンダードプランに登録無料すると

記事の続きや、コメントを読むことができます。

Baseball Geeks編集部