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プロ野球

広島の新外国人ネバラスカスを分析!落差のある高速カーブが武器!



目次
4シームを中心に3球種を投球
高速カーブで打者を翻弄
ジョンソンの穴を埋める活躍が出来るか

今シーズン2年連続のBクラスに終わってしまった広島は、リーグ3連覇以来のAクラス入りを果たすため、ドビーダス・ネバラスカス投手を獲得した。メジャーでは通算76試合に登板し、4年間中継ぎ投手として活躍した。今回は、史上初のリトアニア出身メジャーリーガーであるネバラスカスの投球を、今シーズンのトラッキングデータから分析していく。

4シームを中心に3球種を投球

まずはじめに、各球種の平均球速と投球割合をみていく(表1)。持ち球は3つと少ないが、全ての球種の平均球速がメジャー平均を上回っている。その中でも、4シームは日本のプロ野球ではかなり高速であるため、速球派の投手だといえるだろう。

表1 各球種の平均球速と投球割合。投球割合は4シームが最も多く約半数を占める

カッコ内はメジャー平均

投球割合は4シームが最も多く、約半数を占めている。少ない球種の中で高速な4シームを中心に投球を組み立てる、典型的な中継ぎ投手といえるだろう。先発としての起用が報じられているが、長いイニングを消化するためには複数の球種をバランス良く投げ分けることも必要になってくるかもしれない。

高速カーブで打者を翻弄

続いて、各球種のボール変化量をみていく(図1)。投球の中心となっている4シームはホップ成分が高く、いわゆる「ノビ」を感じやすいボールである。高速かつノビのある4シームは奪空振り能力が高いため、日本での活躍にも期待が持てる。
参考:ホップ成分が大きい速球は空振りを奪いやすいって本当!?

カットボールの変化量は平均的だが、主体となる4シームがノビのあるボールであるため、打者は実際の変化よりも落差を感じるかもしれない。また、カーブの変化量はメジャー平均を大きく上回っている。通常、変化が大きなボールは低速の傾向にあるが、ネバラスカスのカーブは高速かつ変化が大きい特異なボールといえる。

図1 各球種のボール変化量。4シームのホップ成分はメジャー平均より高い

それぞれの球種の変化量をみると、横の変化量が小さいことがわかる。左右に揺さぶる投球よりも高低を使った投球が有効だろう。また、タイプが似ている投手に西武のギャレットが挙げられる。ギャレットは中継ぎ投手としてチームの勝利に貢献してきた選手だが、ネバラスカスも先発として同様に好成績を残すことができるのか要注目である。
参考:西武の新外国人投手ギャレットを分析!平均154キロの速球と縦スライダーが魅力!

図2 ネバラスカスのリスク管理表。完全アウト率はメジャー平均より高い

最後にリスク管理能力についてみてみると、完全アウトの割合がメジャー平均を上回っている(図2)。メジャーよりも平均球速が低速なプロ野球においては、さらに高い完全アウトを記録する可能性もある。また、ゴロの割合も平均程度を記録しており、高速カーブや中間球となるカットボールを有効に活用しているといえる。特に高速カーブは日本では珍しく、多くの打者がこのボールに苦戦するかもしれない
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析

ジョンソンの穴を埋める活躍が出来るか

ここまで今シーズンのネバラスカスの投球を分析してきた。メジャーでは中継ぎを任せられてきたが、広島は先発としての起用方針を示している。かつて沢村賞に輝いたジョンソンの穴を埋める活躍に期待がかかる。球種こそ少ないものの、セ・リーグでは珍しい速球派の先発投手として、チームを再びAクラスに導くことができるのか注目していきたい。

ドビーダス・ネバラスカスのプロフィール

Dovydas Neverauskas
1993年1月14日生まれ(27歳)、右投右打
パイレーツ(2017-2020)-広島(2021-)
【メジャー通算成績】
76試合 1勝4敗 防御率6.81

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Baseball Geeks 編集部