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プロ野球

楽天の新外国人アダム・コンリーを分析!平均153キロの速球派サウスポーの魅力とは!



目次
速球を軸に打者の左右で異なる投球をみせる
各球種の投げ分けが活躍のカギを握る
日本球界でのマイナーチェンジはあるのか

昨シーズンは投手陣の不調によってBクラスに沈んでしまった楽天。チームは投手陣の新戦力として、前マイアミ・マーリンズのアダム・コンリーの獲得を発表した。今回は、主にリリーフとして60試合にメジャーで登板した2019年のトラッキングデータから、コンリーの投球について分析していく。
参考:楽天の新外国人投手シャギワを分析!高速変化する速球でゴロを量産

速球を軸に打者の左右で異なる投球をみせる

まずはじめに、各球種の平均球速と投球割合をみていく(表1)。
投球の軸となっているのは4シームで、その割合は60%を超えている。また、平均球速は153キロと高速であるため、速球派の左投手が少ないプロ野球では重宝されそうだ。

表1 各球種の球速と投球割合。4シームの平均球速は153キロとメジャー平均を上回る

カッコ内はメジャー平均

4シーム以外にはチェンジアップやスライダーを多投しているが、これらの投球割合は打者の左右によって大きく変化する。右打者に対してはチェンジアップの投球割合が24%まで上昇するのに対して、左打者に対してはスライダーの割合が高く、チェンジアップの投球割合はわずか6%である。つまり、コンリーは相手打者の左右によって投球の組み立てを大きく変えていることがわかる。

各球種の投げ分けが活躍のカギを握る

次にそれぞれの球種について、ボール変化量をみていく(図1)。
最も投球割合の多い4シームは、コンリーのようなスリークォーターに近い横振り系の投手によくみられるシュート成分の大きなボールである。空振りよりも、バットの芯を外してゴロを打たせる投球に期待が持てる。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~

図1 各球種のボール変化量。4シームはシュート系の球質である

チェンジアップは4シームとかなり変化が近いため、落差で空振りを奪うよりは球速差を使って打者を打ち取る奥行系のボールだといえる。また、右打者に対してやや逃げるような球質でもあるため、外角への制球がポイントになってきそうだ。

スライダーはジャイロ系の球質で変化自体は小さいが、投球の軸となる4シームはシュート成分が大きいため、打者には実際の変化量以上に曲がってみえるかもしれない。それでも、左打者から確実に空振りを奪うために、こちらも外角低めへの制球を徹底していく必要があるだろう。

図2 コンリーのリスク管理表。外野フライ+ライナーの割合が大きく、被安打の多さに影響している

リスク管理表をみてみると、メジャー平均よりも完全アウトの割合が低く、その代わりに外野フライとライナーが高いことがわかる(図2)。コンリーは2019年に中継ぎとして60試合に登板したものの、イニング数よりも多くの安打を打たれている。平均球速が比較的低速であるプロ野球ではリスクの高い打球の割合が減少する可能性もあるが、今後の活躍には先述したような各球種の投げ分けが重要になってくるだろう

日本球界でのマイナーチェンジはあるのか

ここまで、コンリーの特徴について紹介してきた。先述の通り、日本球界では速球派のサウスポーは珍しいため、メジャーで残した成績以上の活躍がみられる可能性は大いにある。また、今回は2019年シーズンのデータを分析したため、今シーズンの球質や投球の組み立てには多少の変化がみられるだろう。どのような投球で勝利を引き寄せてくれるのか、コンリーの活躍に要注目だ。

アダム・コンリーのプロフィール

Adam Conley
1990年5月24日生まれ(30歳)、左投左打
マーリンズ(2015-2019) ー 楽天(2021)
【メジャー通算成績】
174試合 25勝30敗5セーブ 防御率4.82

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Baseball Geeks 編集部