ソフトバンクの新外国人投手ムーアを分析!持ち球4球種の組み立てが勝負の鍵
昨シーズン見事日本シリーズ連覇を果たしたソフトバンクは、さらなるチーム強化に向けて新たにマット・ムーアを獲得した。メジャーではシーズン17勝を記録、オールスターにも選出された経験を持つ左腕だ。今回は、この実績十分な助っ人の投球をトラッキングデータを用いて分析していく。
参考:【2020年】新外国人投手を徹底解剖!データでみる速球1位は!?
4シームを中心に変化球をバランス良く投球!
まずは各球種の球速と投球割合をみていく。持ち球は4球種で、投球割合が最も高い4シームを筆頭に、残りの3球種をバランスよく投球している。
メジャーデビューを果たした2011年以降、4シームの平均球速はケガの影響もありメジャー平均程度まで低下している。しかし、それでもなお日本球界での平均球速を上回っているため、今後のプレーにおける不安要素にはならないだろう。
各球種バランスの良い変化量が特徴的
続いて、各球種の変化量を見ていく。それぞれが独立しており全体的にバランスの良い球質だが、4シームは変化量にばらつきがありシュート成分が大きいボールも目立つ。このようなボールはゴロを打ち取るのは得意だが、奪空振りには不向きである。
4シームは球種の組み合わせにおける基準球でもあるため、シュート系のボールが減り、球質が安定するとより空振りを奪えるだろう。
チェンジアップは4シームよりもさらにシュート成分が大きい。右打者に対して外角に投球できると、いわゆる逃げるボールとして機能する。
カットボールはピッチトンネルを構成しやすいボールで、打者は直前まで球種の判断が難しい。ゾーン内に投球することでゴロも空振りも奪える武器になるだろう。
ナックルカーブは一般的なカーブに比べ、変化量は変わらないが球速はやや速い。パワーカーブ系の球質で、カットボールと同様ゴロも空振りも奪えるかもしれない。
変化球との組み合わせで勝負!
ムーアは特に突出して珍しいボールを投げるわけではない。しかし、4球種全てにおいて球速・球質のバランスが良い。投球割合からもわかる通り、様々な球種を組み合わせて勝負するタイプである。
あとは、これらのボールを丁寧に制球出来れば日本での活躍が大いに期待できる。日本シリーズ4連覇に挑むソフトバンクに新たに加わった、実績十分な助っ人に注目していきたい。
マット・ムーア Matt Moore
1989年6月18日生まれ、30歳、左投左打
レイズ2011-ジャイアンツ2016途-レンジャース2018-タイガース2019-ソフトバンク2020
通算メジャー成績
181試合 54勝56敗 防御率4.51
Baseball Geeks編集部