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プロ野球

巨人の新外国人投手ビエイラを分析!平均球速156キロの高速ストレートが最大の武器!



目次
投球割合6割以上の4シームで打者を圧倒!
シュート成分の高い4シーム!
制球難と投球スタイルの確立が課題か

2019年は見事5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人。日本一奪還に向けて来シーズンの中継ぎ強化を図るために、チアゴ・ビエイラを獲得した。今回はビエイラのメジャー時代の投球を分析していく。

投球割合6割以上の4シームで打者を圧倒!

まず、ビエイラの各球種の球速と投球割合をみていく(表1)。

表1 球速と投球割合。4シームとスライダーの2球種を中心に投球を行っていることが分かる
球種球速
(km/h)
球速
(%)
投球割合
(%)
4シーム156.9
(150)
100
(100)
65.7
2シーム153.6
(149)
98
(100)
2.4
チェンジアップ140.7
(136)
89.7
(91)
5.9
スライダー139.5
(136)
88.9
(91)
25.4
カーブ124.4
(127)
79.3
(85)
0.6

2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

ビエイラの最大の特徴は4シームの球速で、平均球速はメジャー平均をも大きく上回る156.9キロであった。4シームの投球割合は6割を超えており、高速な速球中心の投手であろう。また、スライダーも併せると2球種で投球全体の9割を占めており、2球種で投球を組み立てるタイプであるといえる。
昨シーズン途中加入で活躍をみせた巨人デラロサに近いタイプといえるかもしれない。
参考:巨人・デラロサのメジャー時代の球質を分析!160キロの速球はシュート系の変化

シュート成分の高い4シーム!

では、その速球はどんな球質なのであろうか。ボールの変化量のデータをみていく(図)。

図1 各球種の変化量。チェンジアップの散らばりが大きい

4シームは平均ややシュート系の球質であった。球速も速く、右打者は手元に食い込んでくるような「怖さ」を感じるボールかもしれない。スライダーはやや縦気味の変化、チェンジアップは真縦に沈むような球質であろう。

また、速球やチェンジアップの球質のバラツキが大きい。制球力で勝負するよりは、やはりボールの威力で勝負するタイプであろう。
スライダーは他球種よりも安定しており、カウントを整えるボールとしても使えるかもしれない。

表2 各球種の変化量と回転数
球種球速
(%)
回転数
(rpm)
横変化
(cm)
縦変化
(cm)
4シーム100
(100)
2323
(2287)
22.2
(19)
39.9
(40)
2シーム98
(100)
2266
(2156)
35.6
(38)
34.2
(23)
チェンジアップ90
(91)
1753
(1807)
19.2
(34)
12.6
(18)
スライダー89
(91)
2381
(2428)
-16.4
(-14)
3.6
(5)
カーブ79
(85)
2096
(2523)
-15.1
(-23)
9.2
(-24)

2019年シーズンのデータを分析。カッコ内はメジャー平均

先述したように、投球の配分や得意球は巨人デラロサに近い。ただし、少なくともメジャー時代のホップ成分はビエイラの方が上回っており、空振りはビエイラの方が多く奪えるかもしれない。武器である4シーム、そして4シームを活かす縦のチェンジアップの制球が安定すると、大きな活躍が期待できるかもしれない。

制球難と投球スタイルの確立が課題か

巨人の新外国人ビエイラの特徴を整理してきたが、やはり平均して155キロを超える4シームは日本では突出しているボールであろう。課題される制球や球質の安定化が進めば、打ち込むのは非常に難しいボールとなるだろう。また、スライダーに続く変化球としてチェンジアップの精度が高まれば、速球を活かすことにも繋がり三振を量産する投手として活躍が期待できるだろう。

動画:ビエイラのメジャー時代の投球。当時は中継ぎだけでなく、クローザーとしても活躍していた

5年ぶりのリーグ優勝を果たした巨人であるが、柱の一人である山口俊がメジャー挑戦を果たし、新たな投手の台頭が望まれる。日本一奪還を目指すチームにあり、ビエイラの4シームは注目ポイントの一つである。

まとめ:巨人の新外国人投手ビエイラの特徴

チアゴ・ビエイラのプロフィール

チアゴ・ビエイラ Thyago Vieira 
1993年1月7日生まれ、26歳、右投げ右打ち
マリナーズ2017-ホワイトソックス2018-巨人2020
通算メジャー成績
23試合 2勝1敗 防御率7.36(2017~2019)

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Baseball Geeks 編集部