【プロ野球】OPS日本代表U-23を発表!若手の躍進はどこまで続くのか?
今シーズンのプロ野球では、若手選手の活躍が多く目立つ。中でも、プロ4年目の村上宗隆(ヤクルト)は両リーグ最速で20本塁打を達成、さらにここまで両リーグトップのOPSで他を寄せ付けない成績を残している。また、ルーキーの佐藤輝明(阪神)・牧秀悟(DeNA)は2桁本塁打を記録するなど、すでにチームに欠かせない存在となっている。
そこで今回は、WBC U-23ワールドカップになぞらえ、高卒5年目・大卒1年目にあたる23歳以下の選手(以下、U-23)に注目することで今シーズンの若手選手の活躍を紹介していく。
参考:【セ・リーグ】5月のポジション別OPSを分析!!首位阪神の好調を支えるのは誰だ?
※各年度に23歳の誕生日をむかえる選手を対象
若手選手の出場機会は増加傾向!
まずは、若手選手の出場機会がどのように変化しているのかをみていく(図1)。シーズンの全打席に対するU-23の割合をみると、今シーズンは全体の1割を超え、2000年以降では2番目に高い数値となっている。例年と比較しても、若手選手の出場機会が多いシーズンだということがわかる。
実際に、ここまで全球団で23歳以下の選手が打席に立っており、前述の3名の他にも、安田尚憲(ロッテ)・紅林弘太郎(オリックス)が規定打席に達している。
村上・佐藤・牧がハイペースで本塁打を増産!
次に、若手選手の打撃成績の変化に着目する(図2)。シーズンの全本塁打に対するU-23の割合をみてみると、今シーズンはここまで、2000年以降で最高の約11%という数値を残している。ここまでU-23だけで計76本塁打を記録しており、その中でも村上(20本)、佐藤(16本)、牧(10本)が、かつてないハイペースを牽引している(6月14日時点)。
参考:ヤクルト村上宗隆をレジェンド選手と比較!4年目に求められる成績とは?
また、割合の推移に注目してみると、打席割合と同様に若手選手の本塁打の割合が増加していることがわかる。その理由のひとつに、科学的根拠に基づくトレーニングの普及により、アマチュア選手の体力や技術が向上していることが挙げられる。甲子園のテレビ中継などをみていても、年々、体格の大きな選手の活躍が目立っているように感じる。
加えて、フライボール革命をはじめとするこれまでになかった野球の理論が、若い世代に浸透していることも要因のひとつとして考えられる。プロの世界でも、最新の打撃理論を取り入れた若手選手が増えたことで、長打力向上に貢献しているのだろう。
参考:ホームランを打つためには?スポーツ科学で迫る打撃の極意
OPS日本代表U-23に広島から5名が選出!
最後に、得点との相関が高いOPSを使用して、独自に選出した「OPS日本代表U-23」を紹介する。東京オリンピックの代表選考にならい、13名の野手を、OPSが高い順にピックアップした。
2021年度終了時点で23歳以下かつ今シーズン30打席以上の選手を対象。OPSが高い順に13人を選び、怪我などの要素は考慮しない。守備位置は今シーズンの1軍公式戦で守備についたポジションを左から試合数が多い順に記載。
遊撃手を除く全ポジションで2名以上の選手が揃っており、バランスのよい選出となった。OPSが0.700を越える選手が大半をしめ、どのメンバーが出場しても高い打力を維持することができそうだ。また、大卒選手が4人、21歳以下の選手が7人と、経歴や年代も多様なメンバーとなった。
なかでも驚くべきは、広島からは最多となる5名が選ばれたことだ。3連覇を達成した2018年以降、Aクラス入りを逃しているが、次世代を担うニューヒーローが着々と育っているようだ。
若手選手の躍進はどこまで続くのか!
今回は23歳以下の選手に焦点をあて、シーズンごとの成績の推移について分析した。近年、若手選手は出番が増えているだけでなく、高い打撃成績も残していることがわかった。今後さらなる科学的なトレーニングの普及により、アマチュア時代からプロに引けを取らない体力・技量の選手が増えてくるかもしれない。それに伴い、選手の育成やドラフトにおける戦略も変わっていくことが考えられる。躍進する新星たちによって野球界がどのように変わっていくか注目だ。
Baseball Geeks編集部