ロッテの新外国人レイビンを分析!カット系の速球と縦に伸びるスライダーが武器!
若手の成長が著しいロッテであるが、チームの課題として救援投手が挙げられる。弱点を克服すべく、今シーズンは新たにメジャーリーガーを補強した。元ブレーブスのジョッシュ・レイビンである。今回は、レイビンの投球をトラッキングデータをもとに分析し紹介する。
参考:【2019年】新外国人投手を徹底解剖!トラックマンデータでみる速球1位は!?
ロッテは外国人選手を大補強!
ロッテは今シーズン、レイビン、ブランドン、バルガス、そして本塁打王を経験しているレアードを獲得し、外国人枠の争いは激しさを増した。去年最高勝率を獲得したボルシンガーやレアードはほぼ当確であり、レイビンは残りの2枠を争うことになる。課題の救援陣を引っ張る存在としてレイビンに期待がかけられている。
スライダー中心の投球も日本では速球派に!?
まずはじめに、レイビンの球速と投球割合を見ていく。スライダーが57%と半数以上の割合を占めていることがわかる。
球種 | 平均球速 (km/h) | 平均球速 (%) | 投球割合 (%) |
---|---|---|---|
4シーム | 151.4 (150) | 99.4 (100) | 34 (35) |
2シーム | 152.2 (148) | 100.0 (100) | 9 (19) |
スライダー | 139.1 (136) | 91.4 (91) | 57 (17) |
カッコ内はメジャー平均。2018年シーズンのデータで分析
スライダーが投球の中心であるが、球速も速い。
球速は全球種でメジャー平均を超えており、4シーム・2シームの球速は平均して150キロを上回る。日本の中では球速が速く、今シーズンは速球系の割合が増えるかもしれない。
カット系の速球、ノビ系のスライダー!
次に、レイビンのボール変化量から球質の特徴をみていく。各球種に特徴を持った投手である。
※灰色の丸はメジャー平均。2018年シーズンのデータで分析
4シームはシュート成分が小さく、カット系の球質である。昨シーズン獲得したボルシンガーもカット系の速球の持ち主であり、大活躍をみてカット系の投手の獲得に踏み切ったのかもしれない。
ただし、ゴロを量産するタイプのボルシンガーとは異なりレイビンは150キロを超えるボールで空振りを狙いに行くタイプかもしれない。
参考:前半戦最多勝のロッテボルシンガーを分析!ナックルカーブの特徴に迫る!
また、投球割合が高いスライダーはカットボールのような性質をもったボールだ。ノビながら横に滑るようないわゆる「ノビスラ」系の球質で、カット系の速球とも相性が良さそうなボールである。
球種 | 球速 (%) | 回転数 (rpm) | 縦変化 (cm) | 横変化 (cm) |
---|---|---|---|---|
4シーム | 99.4 (100) | 2429 (2263) | 40.9 (40) | 14.5 (19) |
2シーム | 100.0 (100) | 2427 (2142) | 35.7 (24) | 23.7 (37) |
スライダー | 91.4 (91) | 2455 (2394) | 14.4 (5) | -12.8 (-14) |
カッコ内はメジャー平均。2018年シーズンのデータで分析
カット系の速球とノビ系のスライダーは、途中まで似た軌道で向かって手元で分かれるような「ピッチトンネル」を構成しやすいボールだ。球質を活かすようなコースに投球できるかが活躍のポイントとなるかもしれない。
中継ぎのエースとしての活躍を期待!
150キロ以上のボールにノビスラ系のスライダーを組み合わせてピッチトンネルを構成できれば、打ち崩すのは簡単ではないだろう。レイビンが救援陣の中心としてフル回転できれば、ロッテが台風の目となるかもしれない。
参考:ピッチトンネルの詳しい解説はこちら
【動画】ジョッシュ・レイビン投手の投球映像。ノビのある4シームと縦に変化するスライダーに注目!
ジョッシュ・レイビン プロフィール
1988年1月21日生まれ、31歳、右投右打
レッズ06-ブリュワーズ13-ドジャース14-ブレーブス18-ロッテ19
メジャー登板成績
2018年成績 2試合 0勝1敗 防御率6.00
Baseball Geeks編集部