阪神ガルシアのメジャー時代の球質を分析!速球派ながら変化球に特徴あり!?
本日のヤクルト戦で登板予定の阪神ガルシア。昨シーズンは中日で13勝を挙げた期待の先発左腕だ。今回はガルシアのメジャー時代の投球を、トラックマンデータから紹介したい。
150キロの4シームが投球の中心
まずはガルシアの球速をみる。4シームの平均球速は150キロで、左腕としては非常に速い。投球割合も50%と多く、投球の中心となっている(表1)。
球種 | 球速 (km/h) | 投球割合 (%) |
---|---|---|
4シーム | 150 (150) | 50 |
2シーム | 150 (148) | 12 |
スライダー | 134 (136) | 18 |
チェンジアップ | 136 (135) | 20 |
カッコ内はメジャーリーグ平均
しかし、それぞれのボールの変化量をみると、意外にも違う武器がみえてくる。
4シームは空振りが奪いにくい球質…!?
ガルシアの4シームは、回転数が少なく、ホップ成分がメジャーリーグ平均を下回る。
打者があまり「伸び」を感じないボールで、空振りは奪いにくいかもしれない(表2)。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~
球種 | 回転数 (rpm) | 縦変化 (cm) | 横変化 (cm) |
---|---|---|---|
4シーム | 2102 (2255) | 37 (43) | -19 (-22) |
2シーム | 2064 (2150) | 30 (28) | -30 (-37) |
スライダー | 2226 (2362) | -3 (9) | 10 (12) |
チェンジアップ | 1761 (1770) | 28 (23) | -35 (-33) |
カッコ内はメジャーリーグ平均
一方で、2シームとチェンジアップの2球種が似たような変化をみせている。
変化量を球種毎にプロットすると、両球種の重なりがよりわかる(図1)。
このように似た変化をみせるボールは、打者からすると球種の判別が難しい。さらにガルシアの2シームは平均球速150キロと非常に高速に変化する。チェンジアップと組み合わせて勝負することで、緩急の効いた勝負球となるかもしれない。
ガルシア活躍の鍵とは!
ガルシアは、4シームの投球割合が半数を占める速球派左腕だ。
しかしながら「球質」をみると、2シームやチェンジアップに武器を持つ。なまじ球速が速いぶん、4シームに頼ってしまうのかもしれないが、投球割合を変えて変化球の割合を増やすことで、大きく活躍できるかもしれない。
昨年最下位の阪神は矢野新監督の下で巻き返しを図る。先発左腕としてローテーションを守り、チームの勝利に貢献できるか期待がかかる。
ガルシアのプロフィール
・1989年8月2日(28歳)
・左投左打 背番号70
・ロサンゼルス・ドジャース (2013)、カンザスシティ・ロイヤルズ (2017)、中日ドラゴンズ(2018 - )
・2017年メジャー成績0勝1敗(メジャー通算成績0勝1敗)
Baseball Geeks編集部