【動画あり】広島の新外国人レオネル・カンポスを分析!ホップ成分1位の快速球でサファテの再来となるか!
セリーグ3連覇に向けて広島が順調だ。
昨シーズンは得点こそリーグ1位も失点は3位。今シーズンは投手陣強化としてメジャーリーガーのレオネル・カンポスを獲得。今年こそは日本一と息巻く。
そこで今回は、新外国人投手分析第3弾として、カンポスの2017年のメジャーリーグでの投球を分析し、紹介したい。
カンポスはどんな球種を持っているのか
150kmの4シームが投球の中心
まずはカンポスの球種と球速をみていく。
4シーム(日本でいうストレート。以下、4シームで統一)の平均球速は150km/hだった。メジャーリーグでは平均並みのスピードだが、日本プロ野球では速球派として活躍できる球速だろう(表1)。
球種 | 平均球速 (km/h) | 平均球速 (%) | 投球割合 (%) |
---|---|---|---|
4シーム | 150 (150) | 100 (100) | 47 |
2シーム | 150 (148) | 100 (99) | 3 |
スライダー | 137 (136) | 91 (91) | 47 |
チェンジアップ | 138 (135) | 92 (90) | 3 |
カッコ内はメジャーリーグ平均
一方で、投球割合には偏りがある。2シームとチェンジアップは共に5%以下の投球割合で、ほぼ4シームとスライダーの2球種しか投球していない。昨シーズンはすべて救援の登板であったため投球機会が少なかったのかもしれないが、4シームに武器を持つだけに、他の球種を組み合わせれば、更に4シームを活かせるだろう。
カンポスのボールはどれくらい曲がるのか
回転数は少なくともホップ成分の大きな4シーム
続いて注目すべきは、4シームの回転数とホップ成分だ(表2)。
球種 | 回転数 (rpm) | 縦変化 (cm) | 横変化 (cm) |
---|---|---|---|
4シーム | 2041 (2265) | 51 (43) | 17 (22) |
2シーム | 1984 (2150) | 46 (28) | 30 (27) |
スライダー | 1943 (2362) | 10 (9) | 4 (-12) |
チェンジアップ | 1620 (1770) | 32 (23) | 32 (33) |
カッコ内はメジャーリーグ平均
カンポスの4シームはメジャーリーグ平均よりもホップ成分が8cm大きい。そのホップ成分は今シーズン来日した外国人投手で最も大きかった。シュート成分も小さく、浮き上がるような球質で、空振りを奪えるボールだ。
参考:2018年プロ野球新外国人投手をデータで紹介!!球速が最も速いのはあの投手…!!?
また、意外にも4シームの回転数は少ない。一般的なイメージでは、回転数が多い方が変化するように感じるが、実は変化には回転軸の方向が大きく影響している。カンポスはきれいなバックスピンに近いボールを投球しているため、ホップ成分が大きいのだ。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴
一方で、スライダーは曲がりの小さなボールだ。4シームと変化量を比べると、横変化が小さいことがわかる(図1)。
スライダー単独では特筆したボールでないものの、4シームのホップ成分が大きいため、打者にとっては落差のある縦のスライダーのように感じるボールだ。
カンポスはどんな成績を残すのか
カンポスの魅力はホップ成分の大きな150kmの4シームだ。高いリリースから迫力満点のボールを投げ込んでくる(表3)。
リリース高 | リリース横 | エクステンション |
---|---|---|
196 | 12 | 176 |
日本にいる投手でいえば、ソフトバンクのサファテに近いイメージだ。球速こそ劣るものの、浮き上がるような4シームは似たポテンシャルを感じる。
サファテでいうスプリットのように、4シーム以外のボールに武器を作れるかがカギを握るだろう。
【動画】カンポスは変化球の出来が成功の鍵
思えばサファテも日本のキャリアスタートは広島だった。カンポスは第二のサファテとなれるのか、その投球から目が離さない。
レオナル・カンポスのプロフィール
・1987年7月17日生まれ(31歳)
・右投右打 背番号70
・サンディエゴ・パドレス (2014 - 2016)、トロント・ブルージェイズ (2017)、広島東洋カープ(2018-)
・2017年メジャー成績0勝0敗(メジャー通算成績1勝0敗)
※変化量は球場毎の誤差を独自に補正
Baseball Geeks編集部