【2019年】新外国人投手を徹底解剖!トラックマンデータでみる速球1位は!?
菊池雄星のメジャー挑戦、丸佳浩の巨人移籍と激動のオフが終わり、いよいよオープン戦もスタートした。
昨シーズン覇者から核が抜けたことで、両リーグとも混戦の様相を呈している。
チーム浮沈のカギの1つは、新外国人選手たちの活躍であろう。そこで今回は、今シーズン新たに来日した新外国人投手のトラックマンデータを分析した。2018年にメジャーリーグで投球していた投手10投手を、4シームに関するデータから紹介していきたい。
球速ナンバーワンは驚異の平均155キロ!
まずは、球速ランキングを見てみたい。
昨シーズンの4シーム(※一部投手は2シーム)の平均球速と投球割合をまとめた(表1)。
順位 | 名前 (チーム) | 平均球速 (km/h) | 投球割合 (%) | 投球腕 |
---|---|---|---|---|
1 | ハンコック (日本ハム) | 155.1 | 72 | 右 |
2 | ブセニッツ (楽天) | 153.4 | 61 | 右 |
3 | ロメロ (中日) | 153.1 | 69 | 左 |
4 | バーベイト (日本ハム) | 151.8 | 49 | 右 |
5 | クック (巨人) | 151.7 | 57 | 右 |
6 | レイビン (ロッテ) | 151.4 | 34 | 右 |
7 | ジョンソン (阪神) | 150.6 | 50 | 右 |
8 | ブランドン※ (ロッテ) | 147.8 | 58 | 左 |
9 | ローレンス (広島) | 145.8 | 22 | 右 |
10 | ニール※ (西武) | 145.3 | 60 | 右 |
メジャー平均 | 149.9 | 35 |
ブランドン、ニールは4シームを投球していないため2シームのデータ。
平均球速1位は日本ハムのハンコックで、なんと155キロであった。救援投手としての活躍が期待されており、ショートイニングであればこのスピードボールは大きな威力を発揮するかもしれない。
また、球速が2番目に遅かった(4シームだと最下位)広島のローレンスは、4シームの投球割合が非常に低いのが特徴だ。「ストレート(4シーム)をあまり投げない」という日本では珍しいタイプにも注目したい。
球質でタイプ診断!ボール変化量でみる各投手の特徴とは!
続いて、それぞれの投手の4シームの「球質」を見ていこう。今回は、トラックマンで取得できる「ボール変化量」という指標を使って球質を分析していく。これはこれまで主観的だった球質を「○○cmシュートした」のよう客観的に表現できる指標だ。
4シームを投球した8投手の2018年データをメジャー平均とともにまとめた(図1)。
変化量の解説記事:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~
最もホップ成分が大きかったのは中日のロメロであった。ホップ成分が大きな4シームは、打者からすると「ノビ」てくるような軌道に感じやすい。
阪神移籍のガルシアの穴埋めを期待されているが、グラウンドボーラーのガルシアとは違い空振りやフライアウトを狙うスタイルの投手であろう。
変化量の解説記事:【中日】新外国人ガルシアを分析!速球派ながら変化球に特徴あり!?
また、クック(巨人)やハンコック(日本ハム)はメジャー平均よりもホップ成分が小さな球質だ。フライよりもゴロが増えやすく、球質よりも球速で空振りを狙うタイプかもしれない。
トラッキングデータを使った選手の新たな獲得方法
このようにどんなボールを投球するかが数値で表現でき、打ち取り方がイメージできるようになると、選手の獲得方法も大きく変わる。
たとえば「本拠地が広いからフライボールピッチャー」といった自チームの特性や「柳田が苦手なタイプ」といったライバルチームのキーマンに合わせた獲得もできるかもしれない。
Baseball Geeksではこれから開幕に向けてこれらの投手を一人ずつ紹介していく。それらのデータが観戦や野球談議の場で「話したくなる」ような話題となれば幸いだ。
Baseball Geeks編集部