【動画あり】日本ハムの新外国人トンキンを分析!150キロの2シームは驚異の変化球!
Baseball Geeksでは、ここまで新外国人投手シリーズとして9人のメジャーリーガーを分析してきた。ラスト10人目を飾るのは、日本ハムの新外国人マイケル・トンキンだ。
日本ハムは今シーズン4人の新外国人選手を獲得した。
リリーフの柱と期待して獲得したトンキンは、オープン戦でも期待に違わぬ活躍をみせ開幕から勝ちパターンの一角を任される。
今回はトンキンの昨シーズンのメジャーリーグでの投球を、トラックマンデータから紹介していこう。
サイドに近いフォームから投げる高速2シーム
まずはトンキンの投球割合と球速をみてみる。持ち球は4球種で、4シーム、2シーム、スライダーをまんべんなく投球しているのが特徴だ(表1)。
球種 | 平均球速 (km/h) | 回転数 (rpm) | 投球割合 (%) |
---|---|---|---|
4シーム | 151 (150) | 2389 (2255) | 33% |
2シーム | 152 (148) | 2362 (2150) | 32% |
カットボール | 145 (142) | 2170 (2333) | 5% |
スライダー | 134 (136) | 2256 (2362) | 29% |
カッコ内はメジャーリーグ平均
球速で注目したい球種が2シームだ。平均球速152キロで、非常に高速に変化するボールだ。さらにトンキンは、リリースポイントが低くスリークォーターからややサイドスロー気味のフォームから投球する。右打者にとって内角に投球される2シームは大きな脅威となるかもしれない(表2)。
リリース高 (cm) | リリース横 (cm) | エクステンション (cm) |
---|---|---|
171 | 67 | 198 |
高速2シームは大きくシュートし沈む?!!
では、トンキンのボールはどんな変化をみせるのか。ボール変化量をメジャーリーグ平均(図中白丸)と比較してみてみる(図1)。
参考:メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~
図中白丸はメジャーリーグ平均
4シーム(図中紫)のホップ成分は、メジャーリーグ平均をやや下回った。ややサイドスロー気味に投球するため、シュートが大きな球質となっている。
特徴的な変化をみせるのは2シームとスライダーだ。
2シーム(図中黄)をみると、メジャーリーグ平均より右下に変化をみせている。150キロを超える球速でシュートしながら沈むため、打者は捉えるのが非常に難しいボールだろう。
スライダー(図中青)はドロップ成分の強いボールで、大きく落ちるスライダーだ。
スライド成分は平均的であるものの、トンキンは4シームや2シームのシュート成分が強いため、打者は大きな横変化も感じるかもしれない。
球速はやや遅いものの、大きな変化で空振りを狙えるボールだろう。
トンキン大活躍の予感!?
トンキンは、スリークォーターからややサイドスロー気味な投球フォームから、高速に変化する2シームを武器とする。日本で150キロを超える沈むボールを投球する投手は少なく、打者が打ち崩すのは非常に困難だろう。スライダーで空振りを奪うようになってくれば、大きな活躍をみせるかもしれない。
【動画】150キロの速球とスライダーを武器に大きな活躍を予感させる
トンキンはオープン戦でも好成績を残した。
昨シーズン5位に沈んだチームを救うのはトンキンをはじめとする新外国人選手たちかもしれない。
Baseball Geeksではここまで10人の新外国人投手を分析してきた。トンキンを含めたそれらの投手たちの活躍に期待しよう。そして、登板する際にはぜひBaseball Geeksを片手に「球質」にも注目してみてほしい。
マイケル・トンキンのプロフィール
・1989年11月19日生まれ(28歳)
・右投右打 背番号19
・ミネソタ・ツインズ (2013 - 2017)、北海道日本ハムファイターズ (2018 - )
・2017年メジャー成績0勝1敗(メジャー通算成績3勝3敗)
Baseball Geeks編集部