有原航平が所属するレンジャーズってどんなチーム?投打のキーマンを紹介!
日本ハムで6年プレーした有原航平は、今シーズンからテキサス・レンジャーズでプレーする。早稲田大学からドラフト1位で入団し、新人王・最多勝のタイトルを獲得するなど着実にステップアップしてきた。そんな好投手が、満を持してメジャー挑戦をする。
そこで今回は、有原が所属するレンジャーズとはどんなチームであるのか解説し、同チームの投打のキーマンを紹介していく。
レンジャーズのチーム成績
レンジャーズはテキサス州アーリントンに本拠地を置く、アメリカンリーグ西地区の球団である。有原と同じく日本ハムから移籍したダルビッシュ有や建山義紀をはじめ、これまで7人の日本人投手が所属していた。2020年にオープンした本拠地グローブライフ・フィールドは、昨年のワールドシリーズの開催地でもあり、見覚えのあるファンもいるだろう。
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そんなレンジャーズについて、はじめに直近5年間のチームの順位をみていく(図1)。レンジャーズは5年前の地区優勝を最後に、プレーオフ進出から遠ざかっている。2016年の地区連覇時には黄金期を迎えるかと思われていたが、それ以降は低迷が続いた。そのためチームは売り手市場に回り、2017年途中には当時所属していたダルビッシュを放出した。昨シーズンは最下位に沈んでしまい、苦汁をなめる結果となった。
同地区では近年、オークランド・アスレチックスとヒューストン・アストロズが強さを誇っている。また、大谷翔平が所属するロサンゼルス・エンジェルスや菊池雄星が所属するシアトル・マリナーズも同地区であり、今シーズンはこのア・リーグ西地区をメディアで見る機会が増えそうだ。
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次に、昨シーズンの得失点表をみてみる(表1)。平均得点がリーグワースト、平均失点はリーグ4位で5点台と、投打ともに課題があるといえる。
レンジャーズの投打のキーマンを分析!
若きパワーリリーバー、J.へルナンデス
続いて、レンジャーズのキーマンとなる選手を紹介する。
昨シーズン、崩壊がみられた投手陣のなかでは、ジョナサン・ヘルナンデスの活躍が目立った。中継ぎ投手としてリーグ最多の31イニングに登板し、防御率2.90で5勝を挙げるなど優秀な成績を収めた。年齢もまだ24歳と若く、今後が楽しみな選手である。ヘルナンデスの球速と投球割合をみていくと、2シームとスライダーを投球の軸としていることがわかる(表2)。特に2シームは平均157キロを越えており、かなり高速なボールだ。
各球種の変化量をみてみると、2シームとスライダーを組み合わせた左右のコースへの投げ分けが有効そうだ(図2)。また、持ち球の中で最もホップ成分が高いボールが速球系の球種でなく、チェンジアップである点も特徴的だ。
今シーズンは、セットアッパーあるいはクローザー候補として名前が挙がっているため、先発の有原からヘルナンデスへの継投というシーンもみられるかもしれない。
レンジャーズの誇る強打者、J.ギャロ
野手の注目選手は、レンジャーズの看板選手の一人、ジョーイ・ギャロだ。196センチ、107キロの巨体から放たれる打球は強烈の一言である。メジャー史上初、通算100単打よりも先に100本塁打を達成しており、稀有なパワーヒッターである。
昨シーズンの被リスク管理表では、47試合の出場で10本塁打と、持ち前のパワーを発揮できなかったためか完全アウトの割合が目立つ(図3)。2019年は、ケガの影響で70試合の出場にとどまったものの、シーズン50本のペースで本塁打を量産していた。パワーが魅力の打撃に注目されがちだが、昨シーズンは右翼手のゴールドグラブ賞を獲得するなど、守備面でもチームに貢献している。今シーズンは、打撃と守備の両方で有原を援護する姿に期待したい。
低迷中のチームを救う有原のピッチングに期待
ここまで、有原が所属するレンジャーズと注目選手についてみてきた。チームには実績のある先発投手が少ないだけに、移籍1年目からそのピッチングに期待がかかる。同じく日本ハムからレンジャーズへと移籍したダルビッシュは、移籍1年目から16勝を挙げるなど大活躍だった。有原もダルビッシュと同様、メジャーの地で次々と打者を抑え込む姿に期待したい。
Baseball Geeks 編集部