大谷翔平の今シーズンを大予想!【第1回:ホームラン学】
連日、2021年のスポーツ界を賑わせたエンゼルス・大谷翔平選手。
投手としてチームトップの9勝をマークしながら、打者としてリーグ3位の46本塁打を放つなど、日本人選手としては史上初となる満票投票で、イチロー氏以来2人目となるリーグMVPに輝く活躍をみせた。シーズン開幕前から、今シーズンの活躍に注目が集まっていることだろう。
そんな大谷翔平の凄さや今シーズンの展望を紹介するスポーツサイエンスバラエティ番組「Next Baseball Academy 大谷翔平学」が、ひかりTVにて2022年2月20日(日)より独占配信される。
4回にわたり、打者大谷・投手大谷の今シーズンの活躍を予想していく。
【Next Baseball Academy 大谷翔平学】ダイジェスト
Baseball Geeksでも4回にわたり、二刀流・大谷翔平の凄さを「トラッキングデータ」から分析し、今シーズンも活躍できる要因について紹介する。
第1弾として、「大谷翔平の本塁打」について分析する。
メジャー屈指の打球速度
まずは、2021年の平均打球速度についてみる(表1)。
大谷の平均打球速度は151キロで全体5位にランクインしており、メジャーリーグでも屈指の打球速度をマークしていた。
打球速度が速くなるほど長打を打てる確率が高くなり、特に打球速度が150キロを超えると本塁打を打てる確率が急激に高まることがわかっている。
参考:注目の指標バレルとは?打球速度と打球角度の重要性
打球速度を高めるためには、スイング速度が重要となる。そして、スイング速度を高めるためには、筋肉量(除脂肪体重)が重要であることがわかっている。先行研究によると、筋肉量とスイング速度には有意な正の相関関係があることが報告されている(図1)。
つまり、「筋肉量が多い選手ほどスイング速度が速くなる」ということである。筋肉量が増加することでスイング速度が高まると、打球速度が高まり、長打を打てる確率が高くなるということだ。
参考:打者は体が大きい方が有利!?データで検証!
平均打球速度・最高打球速度ともに自己最速だった大谷。今後もトレーニングにより筋量を増加させ、打球速度を高めることができれば、今シーズンの大谷の活躍もまず間違いないだろう。
「バレルゾーン」ど真ん中の本塁打
続いて、本塁打を打った際の打球速度・打球角度についてみてみよう(表2)。
2021年の大谷は、本塁打時の打球速度がメジャーリーグトップであった。ア・リーグ本塁打王のゲレーロ Jr.(ブルージェイズ)やペレス(ロイヤルズ)、ナ・リーグ本塁打王のタティス Jr.(パドレス)よりも本塁打時の打球速度が速くなっていた。
打球速度と打球角度の組み合わせからなる「バレルゾーン」。バレルゾーンに到達するためには、打球速度が最低158キロ、打球角度26~30°が必要となり、バレルゾーンに到達した場合、長打を打てる確率が非常に高くなることがわかっている。
参考:上から叩くな!新しいスイング理論
2021年の大谷の本塁打時の平均打球角度は28°と、まさに「本塁打を打ちやすい」角度で打球を放っていた。打球角度の向上は、2021年の本塁打数の増加につながった大きな要因であるといえるだろう。
番組内では、打球速度と打球角度の組み合わせからなる「バレルゾーン」について、「ムネリン」こと川﨑宗則氏に、自身のメジャーリーグの経験談を交えながら解説していただく。
メジャーリーグファンを公言している牧野真莉愛(モーニング娘。'22)が、独自の理論を展開していくところにも注目してもらいたい。
最先端スポーツサイエンスバラエティ「Next Baseball Academy 大谷翔平学」放送決定!
二刀流・大谷翔平選手の凄さに迫る、スポーツデータ解析を活用したスポーツサイエンスバラエティ番組「Next Baseball Academy 大谷翔平学」が、ひかりTVにて2022年2月20日(日)より独占配信される。
本番組は、大谷翔平選手の活躍の要因を最新の野球科学に基づいた解析データを用いて授業形式で解析し、科学で野球を学ぶ新しい形のスポーツ番組だ。Baseball Geeksを運営する株式会社ネクストベースがデータ提供をしており、本記事のようなデータから非常にマニアックなデータを用いて、大谷選手の類まれなる能力を紐解いていく。
ぜひご覧いただき、マニアックな講義を楽しんでいただきたい。
- 1限目【打者編】ホームラン学
■出演者
講師 :川﨑宗則、五十嵐亮太
副担任:山根良顕(アンガールズ)
生徒 :牧野真莉愛
(モーニング娘。'22)
倉持明日香
尾関高文(ザ・ギース)
■配信日時:2月20日(日)23:00~
■配信媒体:ひかりTV(ひかりTVチャンネル、Ch101)
dTVチャンネル(ひかりTVチャンネル+)
「Next Baseball Academy 大谷翔平学」に関する番組詳細はコチラ!
【参考文献】
笠原政志, 山本利春, & 岩井美樹. (2012). 大学野球選手のバットスイングスピードに影響を及ぼす因子, Strength & Conditioning journal 19(6), 14-18, 2012
Baseball Geeks編集部