鈴木誠也のここまでの活躍を振り返る!選球眼は健在か
開幕から9試合連続安打、12試合連続出塁と鮮烈なメジャーデビューを果たした鈴木誠也。4月は21試合で打率.279、4本塁打という成績を残し月間最優秀新人に選出された。今回は、海を渡って2ヶ月の鈴木の活躍をトラッキングデータから振り返る。
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打球速度はメジャー級!
まず、平均打球速度を見てみよう(表1)。
鈴木の平均打球速度は、メジャー平均を上回る145.5キロであった。今シーズンここまでの最高打球速度は、4月10日に放った第3号ホームランの178.5キロだ。
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※6月8日時点で、150打席以上の選手を対象
ちなみに、今シーズンのメジャー1位の平均打球速度はG.スタントンで、驚異の156.9キロをたたき出している。また、大谷翔平や、鈴木が入団会見で「I love you」と愛を伝えたマイク・トラウトの平均打球速度は147.7キロであった。鈴木と大谷・トラウトとの平均打球速度の差は約2キロ。今後追いつき追い越すことができるのか楽しみだ。
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メジャー屈指の選球眼
次に、被リスク管理表を見てみよう(図1)。
ポジティブな点は、四死球の多さだ。広島時代から優れているとされていた選球眼は、メジャーでも健在なようだ。実際に、O-Swing%(ボールゾーンスイング率)は19.3%(メジャー16位)と低く、データからもボール球を振っていないことがわかる。
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しかし、完全アウトの割合はメジャー平均を大きく上回ってしまっている。実は、ZーSwing%(ストライクゾーンスイング率)も56.4%(低い順からメジャー8位)と低く、これが三振の多さにつながっていると考えられる。早いカウントから積極的に振ることで、さらなる飛躍がのぞめるかもしれない。
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※文中の順位は、6月8日時点。150打席以上の選手を対象
大谷翔平の1年目と比較
最後に、大谷翔平の1年目の春の成績と、鈴木の成績を比較してみたい(表2)。
大谷はメジャー1年目の4月は、OPS1.000越えの素晴らしい成績を残した。しかし5・6月は、悪くない数字ではあるものの、4月と比べると失速してしまっていたことがわかる。
鈴木も大谷と同様、開幕から約3週間は絶好調であったものの、4月下旬から大きく成績を落とした。これは、メジャーの投手が鈴木の弱点を突きはじめたからかもしれない。しかし、5月後半からは5試合連続安打を記録するなど、徐々に調子を上げていた。大谷同様、シーズン終了時に好成績を残す可能性は十分ありそうだ。
今後のさらなる活躍に期待
ここまで、鈴木のメジャーでの活躍を振り返った。5月27日のシンシナティ・レッズ戦で左手薬指を痛め、負傷者リスト(IL)入りしていたが、11日からのヤンキース3連戦で復帰の予定だ。大谷同様、鈴木もメジャーにアジャストしていき、シーズン終了時に良い結果を残せるのだろうか。
Baseball Geeks編集部