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MLB

【ポストシーズン】リーグ優勝決定戦MVPに輝いた2選手を分析!



目次
【アストロズ】大舞台で覚醒!チーム最強のスラッガー!
【ブレーブス】今夏トレード加入したベテランが大活躍!
2021年最後の戦いも残りわずか!

2021年シーズンもついにワールドシリーズの最大2試合のみとなった。現在、ヒューストン・アストロズとアトランタ・ブレーブスの2チームによる熾烈な争いが繰り広げられている。今回はアメリカン・リーグ優勝決定戦(ALCS)とナショナル・リーグ優勝決定戦(NLCS)のMVPに輝いた2選手を分析したいと思う。

参考:【今さら聞けない!】メジャーのポストシーズンとは?その仕組みを解説!

【アストロズ】大舞台で覚醒!チーム最強のスラッガー!

今シーズン、ヨーダン・アルバレスは強力アストロズ打線の中で主役的存在になっている。シーズンではチームトップの33本のホームランを記録しており、リーグ優勝決定戦では打率5割を超えるなど、まさにアストロズ打線を牽引している。そんなアルバレスの今年のポストシーズンでの打撃を分析していきたいと思う。

表1 アルバレスのレギュラーシーズンの打撃内容。センターとライトの平均打球速度が150キロを超えている

カッコ内はメジャー平均(2021年レギュラーシーズン)

はじめに、アルバレスのレギュラーシーズンでの打撃内容を見ていく(表1)。主にセンターとライト方向に打っていることが分かる。さらに、両方向の打球速度は平均150キロを超え、引っ張り方向の打球角度は低めである。鋭いライナーが特徴の打者だと分かる。

また、リスク管理表を見るとゴロ割合がメジャー平均より低いことが分かる(図1)。また、外野フライ率もメジャー平均より高いため、ここでもフライを多く打つようにしていることが分かる。

図1 アルバレスのレギュラーシーズンのリスク管理表。ゴロ割合がメジャー平均より少ない

メジャー平均は2021年レギュラーシーズンのもの

続いて、2021年のポストシーズンの活躍を見ていく。
アルバレスのポストシーズンの打撃内容を見ていくと、センターとライトへの平均打球速度の高さが目立っている(表2)。メジャー平均を大きく上回る160キロを超える打球速度を記録している。また、レギュラーシーズンと比較すると打球割合が大きく異なっている。レギュラーシーズンの場合、主にセンターとライト方向に打球割合が集中しているが、ポストシーズンではレフトとセンター方向に打球割合の約8割を占めている。また平均打球角度に関しても、レギュラーシーズンでは方向によって差があるが、ポストシーズンでは全方向ほぼ同じ平均打球角度を記録している。

表2 アルバレスのポストシーズンの打撃内容。センターとライトの平均打球速度が160キロを超えている

カッコ内はメジャー平均(2021年ポストシーズン)

次にポストシーズンでのリスク管理表を見ていく(図2)。リスク管理表を見ると、ゴロの割合がメジャー平均より大幅に小さくなっており、四死球の割合がメジャー平均の約2倍以上大きくなっている。さらに、本塁打の割合もメジャー平均を超えている。また、レギュラーシーズンのリスク管理表と比較すると、ゴロの割合は小さくなっており、外野フライと本塁打、四死球、完全アウトの割合が増加している。レギュラーシーズン同様に主にライナー性の打球を放っているが、完全アウトの割合が高くなっていることから一発を狙った打撃を行なっているのだろう。

図2 アルバレスのポストシーズンのリスク管理表。ゴロの割合がメジャー平均より大幅に小さくなっている

メジャー平均は2021年ポストシーズンのもの

アルバレスはワールドシリーズでは、リーグ優勝決定戦までのような活躍は出来ておらず、打率は0割台とかなり調子を落としている。アルバレスの他にもアレックス・ブレグマンなどといった主力選手たちが本来の力を発揮出来ていないようだ。ブレーブス相手に王手を掛けられているが、残りヒューストンでの2戦をどのように戦うか注目である。

参考:【ポストシーズン】アメリカン・リーグ地区優勝チームの注目選手を紹介!​

動画 アルバレスのアメリカン・リーグ優勝決定戦での活躍

ヨーダン・アルバレスのプロフィール

ヨーダン・アルバレス(Yordan Alvarez)
1997年6月27日生まれ(24歳)、キューバ出身
アストロズ(2019-2021)
【通算成績】
233試合 打率.290 打点186 本塁打61 OPS.948
【2021年ポストシーズン成績】
10試合 打率.441 打点9 本塁打2 OPS1.329

【ブレーブス】今夏トレード加入したベテランが大活躍!

今シーズンのナ・リーグ東部地区優勝に輝いたブレーブスは多くの不運に見舞われた。特に、ブレーブスのスター選手であるロナルド・アクーニャ・ジュニアの長期離脱は大きな痛手であった。その代役の一員としてインディアンズから加入したのがエディ・ロザリオである。誰もが予想しなかったポストシーズンでの活躍を今回分析したいと思う。

表3 ロザリオのレギュラーシーズンの打撃内容。ライト方向の打球が打球割合の約半分を占めている

カッコ内はメジャー平均(2021年レギュラーシーズン)

ロザリオの打撃内容を見ると主にセンターとライト方向に打っていることが分かる(表3)。打球速度は高くはないが、全方向にほぼ等しい速度の打球を放っている。レフト方向の打球角度がかなり大きくなっている。

リスク管理表では、外野フライの割合の高さが目立っている(図3)。ロザリオの打撃内容の約4割が外野フライとなっている。さらに、完全アウトの割合はメジャー平均より大幅に小さくなっている。一方で、ゴロの割合がメジャー平均をわずかに上回っている。打撃内容とリスク管理表から、主に低いライナー性の打球を放っていることが分かる。

図3 ロザリオのレギュラーシーズンのリスク管理表。外野フライの割合がメジャー平均を大きく超えている

メジャー平均は2021年レギュラーシーズンのもの

続いて、ポストシーズンでのロザリオの打撃を見ていく(表4)。
平均打球速度に関しては、レフトとライトで150キロを超えており、メジャー平均を超えている。これはレギュラーシーズンよりも大きい数値である。打球割合に関しては、センターとライトで打球割合の約8割を占めており、特にライト方向への打球は打球割合の約半分を記録している。またライトの平均打球角度はレギュラーシーズンのものと比べると大きくなっている。

表4 ロザリオのポストシーズンの打撃内容。レフトとライトで150キロを超える平均打球速度を記録している

カッコ内はメジャー平均(2021年ポストシーズン)

ポストシーズンでのリスク管理表を見ると、完全アウトの割合がメジャー平均より大幅に小さくなっている(図4)。また、本塁打の割合はメジャー平均の約2倍を記録している。また、ゴロと外野フライの割合もメジャー平均を超えている。レギュラーシーズンのリスク管理表と比べると、完全アウトと外野フライの割合は減少しており、ゴロと四死球、本塁打の割合は増加している。ロザリオはポストシーズンでは、打撃内容とリスク管理表から見る限り、ライナーやゴロ、フライに拘らずとにかく強い打球をセンターやライトを中心に打つことを意識していると考えられる。

図4 ロザリオのポストシーズンのリスク管理表。本塁打の割合はメジャー平均の約2倍となっている

メジャー平均は2021年ポストシーズンのもの

現在ロザリオは、ワールドシリーズにおいて出塁率チームトップを記録するなど、チームに大いに貢献している。特に守備ではレフトでの好守でチームに勢いをもたらしている。アトランタで決着をつけることは出来なかったが、残り2戦、どのようなプレーを見せてくれるのか期待したい。

参考:【ポストシーズン】ナショナル・リーグ地区優勝チームの注目選手を紹介!

動画 ロザリオのナショナル・リーグ優勝決定戦での活躍

エディ・ロザリオのプロフィール

エディ・ロザリオ(Eddie Rosario)
1991年9月28日生まれ(30歳)、プエルトリコ出身
ツインズ(2015-2020)ーインディアンズ・ブレーブス(2021)
【通算成績】
808試合 打率.275 打点450 本塁打133 OPS.782
【2021年ポストシーズン成績】
10試合 打率.474 打点11 本塁打3 OPS1.313

2021年最後の戦いも残りわずか!

今シーズンも残り最大2戦となったが、アストロズとブレーブスの2チームによる素晴らしい戦いが行われている。今回取り上げた2選手の活躍ももちろん期待したいが、ワールドシリーズになって大活躍している選手もいるため、1つ1つのプレーから目が離せない。果たしてアストロズかブレーブスどちらが栄冠を獲得するのか、残りの戦いを大いに楽しみたい。

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Baseball Geeks 編集部