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MLB

【MLB2021】FIPから注目投手を紹介!



目次
コントロール抜群のバーンズがトップ!
チャップマンは驚異のFIP「-0.44」!
ランキングに名を連ねた選手たちに注目!

開幕して約2ヶ月が経ったメジャー。今年も白熱した戦いが繰り広げられている。今回はFIP(Fielding Independent Pitching)という指標を用いて、今シーズンの注目投手を探っていく。FIPとは、被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標であり、チームの守備力や運に左右されず、投手の純粋な能力を表すことができる。防御率と同様に値が低いほど投手の能力が高いことを示す。詳しくは、以下の記事を見て欲しい。
参考:防御率に代わる投手の評価指標FIPとは!

コントロール抜群のバーンズがトップ!

まず、先発投手のFIPランキングをみてみよう(表1)。
1位に輝いたのはコービン・バーンズ(ブルワーズ)だ。29.1回を投げ49奪三振という素晴らしい成績を残している。また、まだ四球を出しておらずコントロールは抜群だ(5月11日時点)。2位のジェイコブ・デグロム(メッツ)は、過去にサイヤング賞を2度獲得した名投手である。3位には4月のピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞したゲリット・コール(ヤンキース)がランクインしている。
参考:サイ・ヤング賞候補デグロムを分析!メジャー屈指の高速スライダーで3年連続の受賞へ!

表1 先発投手のFIPランキング(5月11日時点)

20イニング以上投球した選手を対象

ここで、バーンズの各球種のボール変化量・平均球速・投球割合をみてみよう(図1・表2)。
4シームはほとんど投球せず、カットボールを投球の軸としているのが最大の特徴だ。バーンズのカットボールは、メジャー平均よりもホップ成分が非常に大きく4シームに近い球質といえる。そして、平均球速もメジャー平均よりも10キロ以上速い。打者にとっては見慣れないため攻略は難しそうだ。
参考:ヤクルトの新外国人サイスニードを分析!特異的なカットボールに注目!

図1 バーンズの各球種のボール変化量(5月11日時点)

また、2シーム・チェンジアップ・スライダー・カーブをバランスよく投球している。2シームとチェンジアップは球質が似ており、ピッチトンネルを構成できそうだ。スライダーやカーブはメジャー平均よりも変化量が大きくなっており、空振りがとりやすいボールといえる。

表2 バーンズの各球種の平均球速と投球割合(5月11日時点)

カッコ内はメジャー平均

チャップマンは驚異のFIP「-0.44」!

次に、中継ぎ・抑え投手のFIPランキングをみてみよう(表3)。
-0.44という圧倒的な数字で1位に輝いたのはアロルディス・チャップマン(ヤンキース)だ。今シーズンも、奪三振の割合を表すK%は61.7%(5月11日時点)を誇り、実力は健在なようだ。2位のジョシュ・ヘイダー(ブルワーズ)は、5月9日のマーリンズ戦で通算400奪三振を達成した。234.2イニングでの達成は史上最速である。3位のジェームズ・カリンチャック(インディアンス)は、4シームが投球の7割を占める速球派右腕だ。昨年高かった与四球の割合は改善されており、更なる活躍に期待がかかる。
参考:MLB2017年投手ランキング~球速1位は?注目のカーショウは?

表3 中継ぎ・抑え投手FIPランキング(5月11日時点)

10イニング以上投球した選手を対象

ここで、1位に輝いたチャップマンの各球種のボール変化量・平均球速・投球割合をみてみよう(図2・表4)。
チャップマンの代名詞でもある4シームは、メジャー平均よりも球速が約10キロ速く、投球の半分以上を占めている。そして、メジャー平均よりもホップ成分が大きく、打者がいわゆるノビを感じやすいため空振りをとりやすい球質だ。活躍の秘訣は、球速だけではなく球質にもありそうだ。

図2 チャップマンの各球種のボール変化量(5月11日時点)

変化球は、2シーム・スライダー・スプリットの3球種をバランスよく投球している。
2シームは、平均よりも大幅にホップ成分が大きく、4シームに近い球質だ。球速帯も4シームに近いため、ピッチトンネルを構成できそうだ。スライダーは、メジャー平均よりもスライド成分が大きい。打たせて取るというより空振りを奪うボールだろう。スプリットは、平均よりもスライド成分が大きく、スライダーに近い球質だ。全ての球種が空振りを奪いやすい球質であり、K%が60%を越えるのも納得できる。

表4 チャップマンの各球種の平均球速と投球割合(5月11日時点)

カッコ内はメジャー平均

ランキングに名を連ねた選手たちに注目!

ここまで、FIPという指標を用いて今シーズン期待の選手を挙げてきた。今回用いたFIP以外にも、投手を評価する指標はたくさん存在する。様々な指標に注目してみてはいかがだろうか。

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Baseball Geeks編集部