【メジャー最速投手ランキング ~2018年~】を発表!チャップマン敗れる!?大谷翔平は?
メジャーリーグではポストシーズンがスタートし、日に日に盛り上がりが高まってきている。
今回は、MLB2018年投手トラックマンデータランキングと題し、レギュラーシーズン全投球から4シーム、2シーム(シンカー含)に関するデータを紹介する。
球速ランキングに異変!?新時代の球速王誕生か!
まず、レギュラーシーズン(以下、今シーズン)における4シーム、2シームの球速ランキングを示した。なんと1位はルーキーのヒックス(カージナルス)であった(表1)。
順位 | 名前 (チーム) | 球速 (km/h) | 日付 |
---|---|---|---|
1 | J. ヒックス (カージナルス) | 169.0 | 5/20 |
2 | J. ヒックス (カージナルス) | 169.0 | 5/20 |
3 | J. ヒックス (カージナルス) | 168.0 | 7/4 |
4 | A. チャップマン (ヤンキース) | 168.0 | 7/2 |
5 | J. ヒックス (カージナルス) | 167.9 | 5/20 |
471 | 大谷翔平 (エンゼルス) | 162.7 | 5/30 |
球速ランキングは長年ヤンキースのチャップマンが上位を独占しており、MLB公式サイトの球速ランキングでも「チャップマンフィルター」と呼ばれるフィルターが存在しているほどだった。現に昨シーズンも上位5球はすべてチャップマンのボールであった。
参考:MLB2017年投手ランキング~球速1位は?注目のカーショウは?
しかし今シーズンは、ルーキーのヒックスが圧倒的な球速のボールを投球し1位となった。上位100傑でみても、なんと72球をヒックスが占めており、新たな球速王が誕生したと言っていいだろう。
上位100傑は他に20球がチャップマン、8球が実質メジャー1年目のゲレーロ(マーリンズ)と3人で独占されており、チャップマン一強状態から変わる新時代を予感させるシーズンであった。大谷翔平が記録した162.7キロは球速ランキングでは471位であったものの、先述した投手たちが上位を独占しているため大谷より速いボールを投球した投手は5人しかいなかった。
次に平均球速ランキングをみてみよう(表2)。上位はまたもや上記の3投手であった。日本人最速は大谷翔平で、平均球速155.5キロはメジャー43位の成績であった。
順位 | 名前 (チーム) | 平均球速 (km/h) | 最高球速 (km/h) |
---|---|---|---|
1 | J. ヒックス (カージナルス) | 161.7 | 169.0 |
2 | A. チャップマン (ヤンキース) | 159.2 | 168.0 |
3 | T. ゲレーロ (マーリンズ) | 158.7 | 167.4 |
4 | J. ケリー (レッドソックス) | 157.8 | 162.7 |
5 | F. バスケス (パイレーツ) | 157.7 | 164.5 |
43 | 大谷翔平 (エンゼルス) | 155.5 | 162.7 |
一見、大谷より速い投手が40人もいるのか!と思うかもしれない。
しかしながら、上位は救援投手が多く占めるため、平均球速は速くなる。最高球速では大谷より速い投手は5人しかおらず、先発でこれだけの球速を残せる投手はメジャーでもそう多くない。手術のリハビリはこれから長期にわたり続いていくが、また再びメジャーのマウンドに上がる日を楽しみにしたい。
ホップ成分ランキング!アストロズのエースがランクイン!
最後に、今シーズンの4シームの平均ホップ成分ランキングを示す(表3)。速球のホップ成分が大きくなると、空振りが増加する傾向にある。
参考:ホップ成分が大きい速球は空振りを奪いやすいって本当!?
順位 | 名前 (チーム) | ホップ成分 (cm) |
---|---|---|
1 | M. エストラーダ (ブルージェイズ) | 57.1 |
2 | J. バーランダー (アストロズ) | 51.3 |
3 | H. ウッド (ドジャース) | 51.1 |
4 | S. ドゥーリトル (ナショナルズ) | 50.3 |
5 | A. プルトコ (インディアンス) | 49.6 |
77 | 田中将大 (ヤンキース) | 43.1 |
134 | 大谷翔平 (エンゼルス) | 40.6 |
アストロズのバーランダーが2位にランクインした。速球で空振りや三振を量産しするバーランダーの速球に、ポストシーズンでも注目だ。
また、大谷翔平は134位であった。球速では特徴を持っていたものの、ホップ成分はあまり大きくなく、ボールの「ノビ」は大きくない投手であった。逆に言えばさらに進化する余地のあるボールで、復帰後は球質にも注目したい。
メジャーリーガーのボールが「数値」でわかることのメリット
今回はトラックマンデータを使って投手のランキングを見てきた。今回取り上げた投手たちはメジャーリーガーの中でもトップクラスのボールも投球する選手たちばかりだ。ポストシーズン、また来シーズンにそれらの投手が登板した時には「これがホップ成分50cmか」「これが160キロか」と楽しんでもらいたい。
また、徐々にではあるが、アマチュアにもトラッキングデータは普及し始めている。自分の投球データを測定した時、トップ選手の数字がわかる事で比較が出来、明確な目標となるだろう。これらのデータが選手たちのレベルアップに寄与することを期待したい。
Baseball Geeks編集部