【今さら聞けない!】MLBの選手の体はどのくらい大きい?NPBとの違いを比較!
野球という競技は、ボクシングや柔道などと違い、様々な体格の選手が同じグラウンドに肩を並べながらプレーをする。そのためプロ野球のなかにおいても、小柄で細身な選手から大柄でがっしりした体型の選手がみられる。さらに視野を広げて、プロ野球とメジャーを比較するとどうだろうか。平均球速や1試合あたりの本塁打数が異なることを考慮すると、各リーグに所属する選手たちの間には、かなりの体格差があることが予想できる。そこで今回は、プロ野球選手とメジャーリーガーの体格について、2020年のデータからポジション別にその違いを探る。
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日米での体格の違いを紹介!
投手は身長・体重ともにメジャーのほうが大きい!
まず、投手の体格差をみていく(図1・2)。今回、比較に使う図は縦軸が体重を、横軸が身長を表している。つまり、図中の色が赤く濃くなっている箇所は、その身長・体重に該当する選手が多いということだ。
身長に焦点を当てるとプロ野球では、180センチ前後の投手が多いようだ。一方、メジャーには、190センチを優に超える投手が多いことがわかる。このことから、メジャーにはプロ野球よりも体格が大きな投手の割合が高いことがわかる。球速と身長の関係に関する研究では、両者には正の相関系があることが示されている。つまり、より高身長の投手が多いことが、メジャーの平均球速が高いことのひとつの要因として考えられる。
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野手にも大きな差が!
次に、野手の体格を比較していく(図3・4)。体重に着目すると、プロ野球では90キロに迫る選手が多いが、それを超える選手の割合は低い。一方、メジャーでは、100キロを超える選手も多いことが見て取れる。打撃に関する研究では、除脂肪体重とスイング速度には正の相関関係があることがわかっている。また、スイング速度が高いほど打球の速度が上がり、単打や長打の割合も増える。このことは、メジャーの1試合あたりの本塁打数が多い要因のひとつといえるだろう。
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ポジション別でみると意外な差が!?
最後にポジション別の身長・体重に着目していく(図5・6)。まず、身長からみていく。どのポジションでもメジャーが大きい。しかし、内野手をみてみるとプロ野球の身長が大きい選手とメジャーの平均身長がほとんど同じであることが分かった。プロ野球の身長が高い内野手は、メジャーの内野手に匹敵する身長であることは驚きだ。
次に、体重をみていく。身長と同様にメジャーのほうが大きい。特にポジション別では顕著に表れており、どのポジションもプロ野球の体重が重い選手でもメジャーの平均体重に満たないポジションがあり、身長よりも体重のほうがプロ野球とメジャーでの差が大きいことが分かった。
体格で野球は変わるのか?
今回は、日米における体格の差をみてきた。身長・体重ともに大きな差があり、また、プロ野球とメジャーの内野手が似たような分布をしているが、ポジションごとにも差があることが分かった。身長は、遺伝的影響も大きいため、大きく差が縮まるということは難しいかもしれない。しかし、体重は特に野手において、除脂肪体重と打球速度に相関関係がみられることが分かっている。打球速度は、プロ野球での選手のパフォーマンス向上への要素の1つとして最近注目されている。そのため、体重を増やすために行われているトレーニングや食事などによってこれから体格差が縮まることが大いにあり得るだろう。
Baseball Geeks編集部