【MLB最速投手ランキング】サイヤング賞バーランダーの順位は?
- 目次
- 【最高球速ランキング】新時代の速球王ヒックスが上位を独占!
- 【平均球速ランキング】速球派リリーフ投手がずらり
- 【ホップ成分ランキング】バーランダーがトップにランクイン!
- 球速と変化量からみる投手の魅力
移籍市場に盛り上がるオフシーズンだが、今シーズンの振り返りも忘れてはいけない。今回は、メジャーリーグで投げられた全投球のデータを分析し、2019年の球速ランキングを紹介する。昨シーズンは最高球速、平均球速ともにカーディナルスのヒックスがトップに輝いたが、今シーズンはどのような結果になったのか。
参考:【メジャー最速投手ランキング ~2018年~】を発表!チャップマン敗れる!?大谷翔平は?
【最高球速ランキング】新時代の速球王ヒックスが上位を独占!
今シーズンの最高球速は167.9キロであり、その球を投げたのはカーディナルスのヒックスだった。昨シーズンに引き続き2年連続でトップに輝いた(表1)。
さらに驚くのは、今シーズンのトップ10はすべてヒックスの投げたボールである。
ヒックスはメジャーリーグでこれまで有名であったチャップマンを超える、新たな速球王としての地位を確立したと言えるだろう。
順位 | 名前 (チーム) | 球速 (km/h) | 日付 |
---|---|---|---|
1 | J.ヒックス (カーディナルス) | 167.9 | 5/31 |
2 | J.ヒックス (カーディナルス) | 167.7 | 4/21 |
3 | J.ヒックス (カーディナルス) | 167.4 | 5/25 |
4 | J.ヒックス (カーディナルス) | 167.4 | 5/31 |
5 | J.ヒックス (カーディナルス) | 167.0 | 5/31 |
6 | J.ヒックス (カーディナルス) | 166.9 | 5/31 |
7 | J.ヒックス (カーディナルス) | 166.9 | 4/21 |
8 | J.ヒックス (カーディナルス) | 166.7 | 5/31 |
9 | J.ヒックス (カーディナルス) | 166.6 | 5/19 |
10 | J.ヒックス (カーディナルス) | 166.6 | 5/19 |
2019年シーズン全投球から作成
しかし、ヒックスは6月下旬に右肘の靭帯損傷が発覚し、それ以降は試合に出場していない。前半戦の成績だけでランキングを独占したということも驚きであるが、来シーズンは年間を通してマウンドで剛速球を投げるヒックスに注目したい。
【平均球速ランキング】速球派リリーフ投手がずらり
平均球速ランキングでも、カーディナルスのヒックスがトップに輝いた(表2)。
上位には短いイニングを投げるリリーフ投手がランクインしやすく、今シーズンのトップ10はすべてがリリーフ投手である。また、ランクインした平均球速が最も速い球種は、4シーム・2シーム・カットボールと、投手によって様々である。
順位 | 名前 (チーム) | 平均球速 (km/h) | 球種 |
---|---|---|---|
1 | J.ヒックス (カーディナルス) | 162.7 | 2シーム |
2 | A.ムニョス (パドレス) | 160.8 | 4シーム |
3 | E.クラセ (レンジャーズ) | 159.7 | カットボール |
4 | T.ゲレーロ (マーリンズ) | 159.1 | 4シーム |
5 | J.ケリー (ドジャース) | 158.3 | 2シーム |
6 | F.バスケス (パイレーツ) | 158 | 4シーム |
6 | D.カスティーヨ (レイズ) | 158 | 2シーム |
8 | J.アルバラード (レイズ) | 157.9 | 2シーム |
9 | A.チャップマン (ヤンキース) | 157.7 | 4シーム |
10 | T.ローゼンタール (タイガーズ) | 157.7 | 4シーム |
2019年シーズンで各球種200球以上投げた投手を対象
また、トップ10ではムニョス・クラセ・ゲレーロといった若手が台頭している。彼らの今後の活躍に期待しよう。
【ホップ成分ランキング】バーランダーがトップにランクイン!
今シーズンのホップ成分の平均が一番大きかった投手はアストロズのバーランダーだった。
ホップ成分ランキングのトップに輝いたバーランダーは今シーズンサイ・ヤング賞を受賞し、36歳にもかかわらずまだまだトップレベルの成績を残している。
順位 | 名前 (チーム) | ホップ成分 (cm) |
---|---|---|
1 | J.バーランダー (アストロズ) | 52.3 |
2 | C.ポーシェ (レイズ) | 52.0 |
3 | T.ソーンバーグ (ドジャース) | 51.6 |
4 | N.アンダーソン (レイズ) | 50.5 |
5 | J.ミーンズ (オリオールズ) | 50.3 |
6 | S.ドゥーリトル (ナショナルズ) | 49.8 |
7 | H.ウッド (インディアンズ) | 49.7 |
8 | D.ポメランツ (パドレス) | 49.5 |
9 | D.スマイリー (フィリーズ) | 49.2 |
10 | C.カーショウ (ドジャース) | 48.6 |
2019年シーズンで4シームを200球以上投げた投手を対象
トップ10にランクインした投手たちを見てみると、最高球速・平均球速のランキングにはいない投手たちである。つまり球速とホップ成分には因果関係は見られず、全く別の指標として考えることが出来るだろう。
今後もメジャーリーグにおいてボールの「ノビ」は投手の能力をはかる重要な指標になることは間違いないだろう。投手の投球を見る際にはボールの変化や球速だけでなくボールの「ノビ」にも注目していきたい。
参考:“回転数多い=ノビのある球”ではない? データから迫る「ノビ」の正体
球速と変化量からみる投手の魅力
今シーズンも速球王は最高球速・平均球速を見てもカーディナルスのヒックスであることは間違いないだろう。一方でマイナーリーグでも160キロ台の速球を投げる若手投手が多くなっている。今後の球速はますますハイレベルな争いとなるだろう。また、ボールの回転数や回転軸からわかる「ノビ」の数値化など、単純なスピードだけでない球質も注目すべき点であろう。
参考:投手必読!球速アップに向けて知っておくべき「効果的なトレーニング」と「怪我のリスク」
Baseball Geeks 編集部