「打者」大谷翔平の打球データを分析!数字が示す驚異の能力と今後の課題とは!?
大谷翔平の勢いが止まらない。
投げては開幕2連勝、打っては初本塁打を含む3試合連続弾と衝撃のデビューを果たし、はやくも日米をまたいで大谷フィーバーを巻き起こしている。
今回はスタットキャストのデータを使い、「打者」大谷の秘密に迫っていこう。
大谷驚異の打球速度!本塁打王ジャッジ以上!?
まずは、今季のメジャーリーグの平均打球速度ランキングをみてみる。
順位 | 名前 | 平均打球速度 (km/h) | 最高打球速度 (km/h) |
---|---|---|---|
1 | ヨアン・モンカダ (ホワイトソックス) | 157.4 | 181.5 |
2 | ミゲル・サノ (ツインズ) | 157.3 | 177.5 |
3 | 大谷 翔平 (エンゼルス) | 156.5 | 181.5 |
4 | クリスチャン・イエリッチ (ブルワーズ) | 156.3 | 177.5 |
5 | ミゲル・カブレラ (タイガース) | 154.5 | 184.1 |
10打球以上を対象
大谷の平均打球速度はメジャーリーグの中で3位だった。
打球の数こそまだ少ない(大谷は14球)ものの、なんと平均打球速度156.5キロは昨年の打球速度1位のジャッジを上回る成績だったのだ。
参考:MLB2017年打者トラッキングデータランキング
唯一の課題はゴロ割合の高さ!?
では大谷はどのような打球を打っているのかを詳しくみてみよう。
打球のタイプ | 平均打球速度 (km/h) | 打球割合 (%) |
---|---|---|
ライナー | 171.7 | 14 |
フライ | 159.9 | 29 |
ゴロ | 151.0 | 57 |
表2をみると、どの打球でも高い打球速度を記録していることがわかる。特にライナーやフライの打球速度が非常に高く、今シーズン放った4球のフライ打球のうち、3球がホームランとなった。
一方で、ゴロ割合が57%と高い(昨季メジャーリーグ平均43%)。ゴロ打球はフライ打球よりもヒットや長打になる確率が低く、近年メジャーリーグではフライボール革命と呼ばれる打撃理論が脚光を浴びている。大谷はフライやライナーを高い打球速度で打つことの出来る打者であり、ゴロの割合が少なくなれば、さらに好成績を残す可能性を秘めているといえる。
「打者」大谷翔平の可能性
大谷はメジャーリーグでも屈指の打球速度を誇り、「打者」としても大きな可能性を感じさせる。ゴロ割合の高さを克服できれば、元ヤンキース松井以来となる「日本人で30本塁打」も夢ではないだろう。
では、ゴロを減らすためにはどのようなボールを打つのが良いのか。
以前のコラムでも紹介したように、高めのボールに対してはアッパー気味のスイングになりやすく、打球角度が上がりやすい。
また、緩いカーブのような上から落ちてくる軌道のボールはすくい上げるようなスイングでフライ打球を放ちやすい。ゴロになりやすい低めの2シームや高速に沈む変化球を見極め、それらのボールを狙うことがポイントとなるかもしれない。
参考:「低めに投げろ」ってホント?
【動画】大谷はフライ打球4球のうち3球が本塁打
大谷のメジャーリーグ挑戦はまだはじまったばかりだ。
日本人投手の対決や、世界一の投手たちとの対決。これからまだまだ楽しませてくれるであろう「打者」大谷の打撃を今後も追いかけていきたい。
Baseball Geeks編集部