【今さら聞けない!】選手を評価する20-80スケールとは?日本人選手の評価も紹介!
昨年のワールドシリーズでは、ドラフトで全体1位指名されたダンズビー・スワンソン(ブレーブス)と同じ年の全体2位指名のアレックス・ブレグマン(アストロズ)が対決した。日本シリーズでは、村上宗隆・奥川恭伸・宮城大弥をはじめとしてドラフト上位で指名された若手選手が躍進した。日米でドラフトで獲得した選手が大活躍している。このように、ドラフト、つまりアマチュア選手を適切に評価することはチームの強さに直結する。
プロ野球では、投手なら最高球速、打者なら通算本塁打数などがドラフト前の評価の判断基準とされることが多い。では、メジャーで若手選手はどのように評価されているのだろうか。今回はメジャーの若手選手の評価の際に使われる「20-80スケール」について紹介する。
参考:MLBの構造について
最高ランクが80。最低ランクが20
20-80スケールは、選手の能力を数値で評価するための基準である。80が最高クラスの能力であることを、20が最低クラスの能力であることを示す。各数値がどの程度の評価であるかの基準を表1に示す。なおこの表は、Fangraphs(アメリカの大手野球データサイト)の記事を参考に作成した。
参考:Fangraphs:Scouting Explained: The 20-80 Scouting Scale(2022年6月14日閲覧)
20-80スケールでは、50が平均的な選手であることを示す。メジャーでナンバーワンになれる可能性を秘めている選手には80の評価に、将来的にチームの中心選手になることを期待された選手には65程度の評価が与えられる。
なお、20-80スケールの考え方は、テストや入試などで使われる「偏差値」と同様のものである。そのため、最低値-最高値が0-100ではなく20-80に設定されている。最高ランクの80の選手は、メジャーリーグが1000人いたとしたら上位3名であることが仮定されており、いわゆる統計学の「千三つ」に該当する。
佐々木朗希のフォーシームは65
20-80スケールがどのように使われているのか、Fangraphsに掲載されている海外プロスペクト(有望株選手)から日本人投手のスケールを表2に示す。将来性では山本由伸と佐々木朗希が日本人投手最高の評価をされている。評価値は55とローテ3,4番手の評価だ。
参考:Fangraphs: International prospect(2022年6月14日閲覧)
各球種の評価では、佐々木朗希の4シームが65と高い期待をされている。制球の面では菅野智之が評価されているようだ。なお、これらの数値はあくまでスカウティングレポートであり、この評価の通りの活躍をするわけでないことには注意しておきたい。
参考:佐々木朗希の球質を大公開!163キロ右腕の凄みと将来像とは!
村上宗隆でもスタメン以下。野手の評価は厳しめか
続いて、日本人野手の20-80スケールを表3に示す。この数値もFangraphsに掲載されている数値を引用した。将来性は村上宗隆が一番高いものの、評価値は45とスタメン以下の評価をされている。日本人野手への期待度は総じて控えめであることがうかがえる。
参考:ヤクルト村上宗隆をレジェンド選手と比較!4年目に求められる成績とは?
ただし、各選手のスキルをみると、吉田正尚のコンタクト(空振りをしない能力)や佐藤輝明のパワーはメジャーでも一級品だと評価されている。また、まだ1軍出場はないものの、ブライト健太の今後に期待を寄せるウォッチャーもいるようだ。今後彼らが活躍し、どのように評価値が変動するかにも注目したい。
20-80スケールで評価を楽しもう
本記事ではメジャーの若手有望株選手にもちいる20-80スケールと、スケールを用いた日本人選手の評価について紹介した。20-80スケールの評価は一種の偏差値であり、80が最高ランクで65がオールスター出場程度だと覚えておくと分かりやすいだろう。贔屓のチームや選手がメジャーからどう評価されているか、20-80スケールを知ることでより楽しめるようになるだろう。
Baseball Geeks編集部