【セ・リーグ】8月のポジション別OPSを分析!ヤクルト村上は8月も桁違いの凄さ!
シーズン終了まで残り1ヶ月を切り、熾烈な戦いが繰り広げられているプロ野球。今回は、8月のセ・リーグ各チームのポジション別OPSをみていく(8月25日までの試合を対象)。そして、それぞれのチームと注目選手を紹介するとともに、この1ヶ月でポジション別OPSがどのように変化したのか振り返る。
参考:【セ・リーグ】7月のポジション別OPSを分析!ヤクルトと広島は穴のない打線!
ヤクルト・DeNAが好調
まず、8月25日時点でのAクラス球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表1)。
首位を守るヤクルトは、三塁手・右翼手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは、村上宗隆(三塁手)・サンタナ(右翼手)らだ。特に三塁手は、7月に続き8月も全体トップの数字を記録。村上は現在、打率・本塁打・打点の打撃3部門でリーグトップを走っている。2004年の松中信彦以来、令和初の三冠王のタイトル獲得に期待がかかる。
参考:ヤクルト村上宗隆をレジェンド選手と比較!4年目に求められる成績とは?
ウィークポイントとなっているのは、長岡秀樹が出場していた遊撃手だろう。高卒3年目にしてレギュラーを掴み取った長岡だが、8月は打率2割を下回ってしまっていた。9月26日に21歳の誕生日を迎える若者の復調が待たれる。
2位に浮上し、一時は首位まで4ゲーム差というところまで詰め寄ったDeNAは、二塁手のOPSがリーグトップであった。出場していたのは牧秀悟だ。全体的にリーグ平均を上回るポジションが目立ち、打線が好調であったことがうかがえる。また、投手が高い数字を残しているのも面白い。今永昇太が9打数3安打でOPS0.778という数字を残しているのが大きな要因だろう。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~8月編~
3位の阪神は、左翼手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは、ロハス・ジュニアだ。8月は1.000に近いOPSを記録していた。一方で、リーグ平均を下回るポジションも多い。特に、二塁手のOPSは慢性的に低い。他球団で打力のある二塁手が目立つ分、差をつけられる結果となっている。Aクラス入り、そしてリーグ制覇のためには改善が必要となるだろう。
読売は3つのポジションでリーグトップ
次に、8月25日時点でのBクラス球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表2)。
現在5位の読売は、捕手・一塁手・中堅手と3つのポジションでリーグトップのOPSを記録した。主に出場していたのは、大城卓三(捕手)・中田翔(一塁手)・丸佳浩(中堅手)らだ。一方で、遊撃手や右翼手はリーグワーストのOPSであった。特に、重信慎之介が主に出場していた右翼手は、リーグ全体で最もOPSが低い。そして、坂本勇人が離脱続きで復帰後も不振なのは、チームとしては痛すぎる状況といえる。
現在4位の広島は、遊撃手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは、小園海斗・矢野雅哉らだ。また、西川龍馬が主に出場していた左翼も高い数字を記録している。一方で、捕手・二塁手・三塁手と3つのポジションでリーグワーストのOPSとなっている。特に、二塁手は菊池が離脱したこともあり、OPSが0.500を下回っていた。また、捕手の層が厚く打撃成績も良いのがこれまで広島の強みであったが、8月はウィークポイントとなってしまっていた。Aクラス入りのためにはテコ入れが必要だろう。
シーズン当初から得点力不足に苦しみ、最下位から脱出できずにいる中日はリーグトップのOPSを記録したポジションがない。特に、左翼のOPSは非常に低くなっている。主に出場していたのは、今年の7月に支配下登録されたばかりのレビーラだ。得点力に苦しむ中で、一つ朗報があるとすれば、A.マルティネスが9月2日から一軍復帰していることだろう。彼の復帰をきっかけに、得点力が上向きになることを期待したい。
ペナントレースの行方はいかに
ここまで、セ・リーグの8月のポジション別OPSをみてきた。リーグ優勝、そしてクライマックスシリーズへの出場切符をつかむのはどの球団か。ペナントレースもいよいよ大詰めだ。
Baseball Geeks編集部