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プロ野球

ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~7月編~



目次
7月の平均得点・平均失点を分析
阪神は先月に続いて7割以上の勝率を記録
激しい混戦を制するのは?

後半戦再開から1週間が経ち、厳しい残暑が続く中で熱い戦いが繰り広げられている。今回は「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」という指標を用いて、7月(25日まで)の各球団の戦いを振り返る。ピタゴラス勝率について、詳しくは下記の記事を見てほしい。
参考:データで順位を大胆予想!ピタゴラス勝率でみる今季プロ野球の展望は!

7月の平均得点・平均失点を分析

阪神投手陣がセ・リーグを制圧!

まず、セ・リーグの平均得失点をみていく(表1)。
平均得点が最も高いのは広島だ。平均得点が最も高くなるのは5月以来である。また、広島は7月の本塁打数が20本とリーグ3位の成績だ。課題であった本塁打数が克服されつつある。後半戦は順位を上げてくるかもしれない。

平均失点が最も少ないのは阪神だ。先月に続いて平均失点が最も少なく、投手陣は好調を維持していることがわかる。開幕絶不調だった阪神の勝率を5割まで引き上げた要因といえるだろう。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~3・4月編~

表1 7月1日から7月25日までの平均得失点(セ・リーグ)

平均得点が最も低かったのは中日であり、3ヶ月連続で平均得点がリーグワーストとなっている。しかし、怪我から復帰した大島洋平がリーグ打率3位にランクイン、岡林勇希は7月の打率がリーグ1位の.375を記録している。好調な選手を軸に打線を繋げることはできるのだろうか。

平均失点がリーグワーストであったのは読売だ。先月に続いて平均失点が5点台と苦しい戦いを強いられている。2位から5位に転落した巨人だが、投手陣の再建が急務である。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~6月編~

順位変動の可能性アリ?混戦のパ・リーグ

次に、パ・リーグの平均得失点をみてみよう(表2)。
平均得点が最も高かったのは楽天で、打線は好調なようだ。しかし、楽天は平均失点も最も高くなっており、点を取るが取られるという状況である。投手陣の調子を上げることが優勝へのカギとなりそうだ。

日本ハムは平均失点が最も少ない。先月はリーグワーストの平均得点・平均失点を記録していたが、今月は改善がみられた。交流戦絶好調だった加藤貴之は現在防御率リーグ1位、伊藤大海は勝利数リーグ2位と好投している。

表2 7月1日から7月25日までの平均得失点(パ・リーグ)

平均得点が最も少ないのはソフトバンクであった。開幕からチームを支えていた三森大貴の怪我や、新型コロナウイルスの陽性で甲斐拓也・グラシアル・デスパイネなどの主力選手が戦場を離れたこともマイナスに作用しているだろう。

阪神は先月に続いて7割以上の勝率を記録

続いて、各球団の7月のピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみよう(図1)。
阪神は先月に続いて勝率が7割を超えている。 3連勝が2回、オールスターを挟んで5連勝とチームは絶好調だ。なお、ピタゴラス勝率に関しては8割を越えており、もっと勝利を重ねていてもおかしくないと考えられる。

ロッテは実際の勝率がピタゴラス勝率を2割近く上回っている。 7月3日に14失点(1得点)、7月10日に10失点(1得点)と大量失点をしたが、ピタゴラス勝率の観点からみれば「負けるときには負ける」という、いい負け方をしているとも考えられるだろう。

一方、楽天はピタゴラス勝率は5割以上なのにもかかわらず、実際の勝率は3割5分であった。上手く勝利をものにできていないことがわかる。開幕から首位争いを続けていたが、7月は3位に転落してしまった。得失点差をどう勝利に結びつけるかが、再浮上のポイントになりそうだ。

図1 7月1日から7月25日までの各球団のピタゴラス勝率と実際の勝率

最後に、各球団の開幕から今までのピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみる(図2)。
90試合以上が消化されたこともあり、ほとんどの球団が実際の勝率とピタゴラス勝率が一致してきている。また、ピタゴラス勝率ではヤクルトよりも阪神が上回っている。接戦をモノにしてうまく勝率を上げることができるのか、来月以降の動きについても注目したい。

図2 開幕から7月25日までの各球団のピタゴラス勝率と実際の勝率

激しい混戦を制するのは?

ここまで、「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」の観点から、各球団の7月の戦いを振り返った。残り50試合ほどとシーズンも終盤に差し掛かかっているが、両リーグともに順位が混戦している状態にある。Aクラス、そしてリーグ優勝を手にするのはどのチームとなるのだろうか。

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Baseball Geeks編集部