【セ・リーグ】7月のポジション別OPSを分析!ヤクルトと広島は穴のない打線!
新型コロナウイルスが球界全体に蔓延し、試合の中止が相次いだ7月。今回は、7月のセ・リーグ各チームのポジション別OPSをみていく(オールスター前までの試合を対象)。そして、それぞれのチームと注目選手を紹介するとともに、この1ヶ月でポジション別OPSがどのように変化したのか振り返る。
参考:【セ・リーグ】6月のポジション別OPSを分析!ヤクルトは3つのポジションでリーグトップ
首位ヤクルトの打線は7月も盤石
まず、オールスター前の時点でAクラスであった球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表1)。
マジックは消えたものの、首位をひた走るヤクルトは、二塁手・三塁手・中堅手・右翼手と4つのポジションのOPSがリーグトップであった。特に、三塁手のOPSは全体トップであり、開幕からオールスター前までのOPSも1.000超えと抜群の安定感を誇っている。
主に出場していたのは、山田哲人(二塁手)、村上宗隆(三塁手)、塩見泰隆(中堅手)、山崎晃大朗・サンタナ(右翼手)らだ。コロナがチーム内で流行し、主力選手の大量抹消があったにもかかわらず、OPSが0.600を下回るポジションがない選手層の厚い打線が首位キープの要因だろう。
2位の阪神は、捕手・二塁手・三塁手・左翼手と4つのポジションのOPSがリーグ最下位であった。リーグトップのOPSを記録するポジションはなく、他球団と差をつけることができていない。打線はあまり調子が良いとはいえない状態だろう。 2位まで順位を上げたのは、7月のチーム防御率1.24という驚異的な投手陣のおかげだろう。首位ヤクルトの追撃には、打線の向上が必要不可欠だ。ここから打線が投手陣の頑張りに応えられるのだろうか。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~7月編~
現在5位の広島は、一塁手・遊撃手でリーグトップのOPSを記録した。主に出場していたのは、マクブルーム(一塁手)、小園海斗(遊撃手)らだ。特に、マクブルームは7月のOPSが1.071と大活躍を見せた。7月20日にコロナ陽性判定を受け登録抹消されていたが、8月6日には復帰し即スタメンでヒットを放っている。広島もヤクルトと同様にOPSが0.600を下回るポジションがなく、打線全体の調子は上向きといえるだろう。
岡林勇希は苦しむ中日打線の希望の星
次に、オールスター前の時点でBクラスであった球団のポジションごとのOPSをみてみよう(表2)。
現在3位のDeNAは、捕手と左翼手のOPSがリーグトップであった。主に出場していたのは、嶺井博希・戸柱恭孝・伊藤光(捕手)、佐野恵太(左翼手)らだ。捕手は先月まではウィークポイントであったが、7月は大きく得点力を上げている。特に、戸柱は7月の打率.348と非常に好調であった。また、左翼は開幕から大きな浮き沈みなく高い数字を記録しており、DeNAの強みといえる。弱点は、全体で一番低いOPSとなってしまった遊撃手だ。高卒3年目の森敬斗とベテラン大和のポジション争いが、チームを良い方向に導くことに期待したい。
現在4位の読売は、リーグトップではないものの、一塁手のOPSが高くなっていた。主に出場していたのは中田翔で、7月は1.134という非常に高いOPSを記録した。一方、三塁手・左翼手は6月と比較して大きく成績を落としてしまった。主に出場していたのは岡本和真(三塁手)、ウォーカー(左翼手)らだ。ともに7月のOPSは0.600を下回っており、シーズンを通して高い得点力を維持し続ける難しさが感じられる。
最下位に沈む中日は先月と同様に、全体的にリーグ平均と比べてOPSが低いポジションが多くなっている。特に、遊撃手のOPSは0.378と非常に低くなっている。昨シーズンまで絶対的なレギュラーであった京田陽太の不振は、チームにとって大きな痛手だ。苦しい状況が続く中日打線だが、右翼手は0.863という高いOPSを記録している。主に出場していたのは高卒3年目の岡林勇希だ。7月は打率.375という活躍を見せ、飛躍の年となっている。2年ぶりのAクラス入りに若い力は欠かせないだろう。
参考:オープン戦で好成績を残した打者は誰?シーズンでの活躍を大予想!
依然続く混戦を勝ち抜くのは?
ここまで、セ・リーグの7月のポジション別OPSをみてきた。オールスターが終了し後半戦が始まったが、2位から6位までのゲーム差は依然7.5ゲームと混戦が続いている。混戦を抜け出しAクラスに定着するのはどのチームか。
Baseball Geeks編集部