【MLB2022】前半戦振り返り投手編!支配力を魅せるメッツ・ディアスのスライダー
メジャーリーグは前半戦が終了し、いよいよ後半戦に入ろうとしている。昨シーズンは9試合においてノーヒットノーランが達成されたが、今シーズンもすでに3試合記録されている。
投手の記録に注目が集まるシーズンとなっているが、どんな投手が活躍しているのだろうか。
今回は優れた球速と空振り率を記録した投手を紹介していく。
参考:【MLB2021】前半戦振り返り投手編!異次元の投球をみせるデグロムに注目!
球速部門:剛腕ルーキーたちが上位にランクイン
最高球速トップはジョーダン・ヒックス
まず、今シーズンの最高球速を紹介する(表1)。
トップは、カージナルスのジョーダン・ヒックスだ。なんとシンカーで167.1キロを計測した。この速さで動くような球を打つことは打者にとって容易ではないだろう。また、ヒックスはメジャー史上最速タイの169キロを記録した選手でもある。メジャーで最も速い球を投げるヒックスの投球に注目するファンも多いことだろう。
3位はライアン・ヘルスリー(カージナルス)だ。昨シーズンの8月から右肘・左膝の怪我で戦線を離脱していたが、今シーズンは開幕から好調を見せ、防御率は0.75、奪三振率は13.50と素晴らしい成績を残している。シーズン通した活躍を見ることができるのかに注目だ。
4位はアンドレス・ムニョス(マリナーズ)だ。2019年に19歳でメジャーデビューを果たした。トミージョン手術を経験しているムニョスだが、手術前の最高球速である165.4キロを今シーズンも記録した。手術したことを感じさせない投球を披露している。
最高球速2位のヨアン・デュランが平均球速トップに
次に平均球速をみていく(表2)。
最高球速ランキング2位を記録したヨアン・デュラン(ツインズ)の4シームが平均球速ランキングトップとなった。平均161.7キロを記録しており、大半が160キロを超えるボールを投球していることになる。また、デュランは今シーズンにメジャーデビューを果たした24歳のルーキーだ。若手有望株であるに違いないといえるだろう。
全投球数が300球以上の選手が対象
2位は、ブラスダー・グラテロル(ドジャース)、4位はエマニュエル・クラッセ(ガーディアンズ)、5位はホゼ・アルバラード(フィリーズ)であった。グラテロルとクラッセは平均球速ランキングトップのデュランと同年代であり、今シーズンで24歳になる。デュランと同様に若手有望株の選手といえるだろう。また、この3人は4シームではなく、カットボール・2シームといった変化球でランクインしていることも驚きだ。
支配力を魅せるディアスのスライダーがトップの空振り率を記録
次に、空振り/スイング率(Whiff%)だ(表3)。
トップはエドウィン・ディアス(メッツ)のスライダーであり、スライダーのWhiff%は50.8%と圧倒的な数字を記録している。打者がスライダーをスイングした際に、2球に1球は空振りを奪っていることになる。また、投球割合の半分近くはこのスライダーであり、被打率は.156である。決め球に値する球種といえるだろう。
参考:打者・大谷は189三振!空振りは本当にいけないことなの?
投球数300球以上の球種から算出。
※Whiff%=空振り÷スイング
アンドレス・ムニョス(マリナーズ)のスライダーもWhiff%は50%以上を記録しており、トップにはならなかったものの驚異的な球種であるといえるだろう。また、ムニョスは最高球速ランキングでもランクインしており、打ち崩すのは容易ではないことがわかる。
デビン・ウィリアムズ(ブリュワーズ)、パトリック・サンドバル(エンゼルス)はチェンジアップがランクインした。特に、ウィリアムズは今シーズン防御率1.77・奪三振率14.89と好成績だ。また、6月・7月ともに防御率0.00を記録しており、このチェンジアップがプラスに作用しているに違いない。
参考:【2021年】4シームはリスクが高い?最新データから球種別の特性を探る
後半戦の投手成績はどうなる?
今回は、球速と空振り率についてみてきた。注目投手として、ヒックスやディアスをあげた。また、平均球速でトップを記録したデュランをはじめ、デビューしたばかりの若手選手が多くランクインしていた。豪速球を投げるルーキーや驚異的な変化球を投げるルーキーは今後も増えていくかもしれない。球速や空振り率はもちろん、異次元のパフォーマンスを発揮しているメジャーの投手に注目だ。
Baseball Geeks編集部