新外国人選手の開幕ダッシュを分析!活躍の要因とは!?
プロ野球開幕から約1ヶ月が経過した。今シーズンから加入した新外国人選手のなかでも、期待通りに活躍する選手と期待通りとはいかない選手の明暗が分かれている(表1)。
今回は、開幕前に取り上げた新外国人選手の中から特徴的な投手3名を取り上げ、現時点での成績について分析していく。
好投を見せる新外国人選手たち!
本来の投球を見せることができるのか!サウスポー・エンス!
まず紹介するのは、西武の先発であるエンスだ。4月10日の初登板では、トリプルプレーを完成させるという珍しい記録も達成した。
参考:西武の新外国人エンスとスミスを分析!メジャークラスの2人に期待!
現在は2試合に登板して1勝1敗のエンス。その2試合において、投球内容にやや変化がみられた。
初登板の成績は三振数が1個、奪三振率は1.80とかなり低かった(表2)。だが、17日のオリックス戦では三振数が4個、奪三振率は7.71と高まっていた。被打率も同時に高まっていたものの、今後も奪三振率を向上させることができるかが、長いイニングを投球していくためのポイントだろう。
また、エンスの課題もみえてきた。リスク管理表をみてみると(図1)、昨シーズンのプロ野球平均よりも四球の割合がかなり高いことがわかる。まだまだ日本のボールやマウンドに慣れていないのかもしれない。奪三振率の向上、四死球率の改善に注目だ。
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析
- ディートリック・エンス
Dietrich Enns
1991年3月16日生まれ 左投左打
ツインズ(2017)ーレイズ(2021)ー西武(2022)
【メジャー通算成績】11試合(1先発) 2勝0敗2セーブ 防御率3.42
【今シーズンの成績】2試合(2先発) 1勝1敗 防御率2.79
読売の先発陣を引っ張れ!シューメーカー!
読売の先発陣として期待されたシューメーカー。メジャー時代の成績から、被本塁打率が高いことが危惧されていた。初登板では初球にホームランを浴びてしまったが、登板した2試合とも大きく崩れることはなく、先発としての役割を十分に果たしたといえる。
参考:読売の新外国人シューメーカーを分析!最高勝率右腕がパワーアップして来日!!
シューメーカーのリスク管理表をみると(図2)、昨シーズンのプロ野球平均よりも三振の割合が低いことがわかる。これはシューメーカーがメジャー時代から抱えている課題だ。
次に現在までの成績をみていく(表3)。防御率は1点台、被打率は2点台と好成績を残している。初勝利は決して遠くない。シューメーカーが奪三振率という課題を克服できるのかどうかが、好調なチームにさらに勢いをつけるうえで重要なポイントとなりそうだ。
- マット・シューメーカー
Matthew David Shoemaker
1986年9月27日生まれ(35歳)、右投右打
エンゼルス(2013-2018)ーブルージェイズ(2019-2020)ーツインズ(2021)ー読売(2022)
【メジャー通算成績】128試合(115先発) 46勝41敗 防御率4.24
【今シーズンの成績】2試合(2先発) 0勝1敗 防御率1.42
大きく崩れてしまった選手も?
ケラーは阪神の救世主になれるのか!
阪神の抑えとして期待されたケラー。しかし、2試合に登板して2敗、防御率も33.75と苦しい状況だ。持ち球が速球とカーブの2種類と、打者が的を絞りやすいことも成績が向上しない原因の一つではないだろうか。
参考:阪神の新外国人ケラーとウィルカーソン!優勝へのラストピースとなるか?
ケラーのリスク管理表をみると、前述の2投手より投球数こそ少ないものの、単打と本塁打の割合が非常に高くなっている(図3)。打者にボールを捉えられていることが数字をみてもわかるだろう。
そんなケラーにも注目すべきポイントがある(表4)。
打者11人に対しての記録だが、高い奪三振率を残している。三振かヒットかという現状を打破することがケラー復調の鍵になりそうだ。現在は2軍で調整を行なっているケラー。いち早く1軍に合流し、窮地の阪神を救えるかに期待がかかる。
- カイル・ケラー
Kyle Keller
1993年4月28日生まれ 右投右打
マーリンズ(2019)ーエンゼルス(2020)ーパイレーツ(2021)ー阪神(2022)
【メジャー通算成績】44試合1勝1敗 防御率5.83
【今シーズンの成績】2試合 0勝2敗 防御率33.75
まだまだシーズンは始まったばかり!今後の活躍に期待!!
今回は新外国人選手の活躍をみてきた。シーズンが開幕してから1ヶ月弱。優勝の立役者と呼ばれる新外国人選手は一体誰なのか、今後の活躍に注目したい。
Baseball Geeks編集部