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プロ野球

【オリンピック野球:傾向と対策】ドミニカ共和国代表ラモン・ロッソ!カットボールに近い特異な4シーム!



目次
4シームとスライダーで投球を組み立てる!
投球の軸となる特異的な4シーム!
ゾーン管理が重要?
ラモン・ロッソをどのように攻略すればよいのか?

ついにオリンピック野球競技が開幕した。開幕戦での侍ジャパンの対戦相手は、ドミニカ共和国代表であった。今回は、ドミニカ共和国代表の投手ラモン・ロッソをメジャー時代(2020年)をのトラッキングデータ使って分析していく。
参考:【オリンピック野球】ドミニカ共和国代表と注目選手を紹介!元トロント・ブルージェイズの主砲バティスタに注目!

ロッソは、現在25歳と若い投手だ。2020年にフィラデルフィア・フィリーズでメジャーデビューし、今シーズンは1イニングのみだがメジャーで投球している。その後、DFAとなったが現在はフィリーズのマイナーリーグ傘下球団に所属している。

4シームとスライダーで投球を組み立てる!

まず、平均球速と投球割合をみていく(表)。
投球割合をみると4シームが60%を超えており、4シームを軸に投球していることが分かる。また、スライダーの投球割合が約30%になっており、主に4シームとスライダーの2ピッチで投球を組み立てているといえる。球速は2球種ともにメジャー平均と並みの球速だ。

表 各球種の平均球速と投球割合。4シームとスライダーの2ピッチ

※2020年のトラッキングデータを使用。カッコ内は、2020年のメジャー平均

投球の軸となる特異的な4シーム!

次に、ボール変化量をみていく(図1)。
4シームをみると、非常に特徴的な球質であることがわかる。シュート成分がメジャー平均よりも非常に小さく、「真っスラ」系でカットボールに近いボールである。また、ボールによってはスライド方向に変化している。特異的な球質であり、打者からすると非常に打ちづらいボールだといえるだろう。

図1 各球種のボールの変化量。カットボールに似た4シームを投球する

スライダーは、メジャー平均よりスライド成分がやや大きくなっている。また、球質のばらつきが大きく、時折カーブに近いようなスライダーを投球している。球速や球質を自在に操っているとすれば、厄介なボールになりそうだ。

ゾーン管理が重要?

次に、対左打者と対右打者でのボール到達位置を比較していく(図2・3)。
左打者に対して、ほとんど4シームを投球しているが、アウトコース高めにボールが抜けることが多そうだ
右打者に対しては、スライダーと4シームをアウトコース低めへと集めている。特に、ボールゾーンへ逃げるスライダーは空振りを奪いやすいボールなので、2ストライク時には注意が必要だ。

図2 対左打者時のボール到達位置
図3 対右打者時のボール到達位置

最後に、リスク管理をみてみる(図4)。
右打者に対するリスク管理をみると、完全アウトの割合がメジャー平均を大きく上回っている。前述の通り、アウトコース低めのスライダーには注意が必要だ。
一方、対左打者・対右打者どちらに対しても、フライ割合がメジャー平均よりも非常に高いことが分かる。また、四死球割合が高いことやボール到達位置でも真ん中から高めにかけてのボールが多く、決して制球力は高くないといえそうだ。速球の投球割合も高いので、ゾーン内に甘く入った速球を狙い打つことが重要なポイントの一つとなりそうだ。

図4 ロッソのリスク管理表

ラモン・ロッソをどのように攻略すればよいのか?

今回は、ドミニカ共和国代表のラモン・ロッソを紹介した。今シーズンはメジャー1登板のみで、主にマイナーでプレーをしている。メジャー復帰のためにもオリンピックへの意欲は高そうだ。侍ジャパンの強打者たちが、いかにして特異な4シームを打ちくだくかに注目したい。

ラモン・ロッソの対策

【左打者】
・抜け球の見極め
・インコースへのストレート
【右打者】
アウトコース低めへのスライダー

ラモン・ロッソ

Ramón Rosso
1996年6月9日生まれ
フィリーズ(2020-)
メジャー通算 8試合 0勝1敗 防御率5.73

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Baseball Geeks編集部