ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~6月編~
交流戦も終わり、前半戦終了まであと少しというところまでペナントレースは進んでいる。今回は、先月に続き、「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」という指標を用いて、6月(6月23日時点)の各チームの戦いを振り返る。ピタゴラス勝率について、詳しくは下記の記事を見てほしい。
参考:データで順位を大胆予想!ピタゴラス勝率でみる今季プロ野球の展望は!
山本・宮城が率いる盤石オリックス投手陣!
まず、セ・リーグの平均得失点をみていく(表1)。
平均得点が最も高いのは6位のDeNAだ。完封された試合は一試合もなく、打線は好調なようだ。平均失点が最も少ないのは2位の読売で、首位阪神とのゲーム差を徐々に詰めつつある。平均失点がリーグワーストであったのは広島だ。新型コロナウイルスがチーム内で流行し、主力選手が離脱したことも大きな原因だろう。6月14日に1軍登録された新外国人カイル・バードや、6月18日に初勝利を挙げた玉村昇悟に期待がかかる。平均得点ワーストは先月に続き中日であった。交流戦打率1位のビシエドを筆頭に、後半戦に向けて打線の調子が上がってくることに期待したい。
参考:広島の新外国人カイル・バードを分析!スライダーを軸にした投球に注目!
次に、パ・リーグの平均得失点をみてみよう(表2)。
平均得点1位となったのは西武だ。山賊打線が復活しつつあるようだ。平均失点が最も少ないのはオリックスでなんと2.12点であった。防御率リーグトップの山本由伸、2位の宮城大弥を要する先発陣は盤石だ。そして、平均得点が平均失点を2点も上回っている点にも注目だ。最下位の日本ハムは先月に続き平均得点がリーグワーストで、先月より悪化している。平均失点が一番多いのはロッテだ。石川歩の手術による離脱、美馬学が2試合連続の2桁失点で登録抹消などチーム状況は苦しい。
参考:2021年セ・パ交流戦振り返り【投手編】
オリックスの勝率は驚異の8割5分超え!
続いて、各球団の6月のピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみよう(図1)。
オリックスの勝率は8割5分越えとずば抜けている。交流戦優勝の勢いのまま、7年ぶりの単独首位に立ち、37年ぶりの11連勝を果たすなど、すさまじい勢いを見せた。一方、ソフトバンクは実際の勝率がピタゴラス勝率を2割以上下回ってしまっている。6月5日の10得点(2失点)など大量得点で勝利した試合もある一方、一点差で負けた試合は4試合、引き分けは6試合もあった。接戦をものにできるかが、今後上昇へのカギになりそうだ。
最後に、各球団の開幕から今までのピタゴラス勝率と実際の勝率をみてみよう(図2)。
約70試合が消化され、多くの球団が実際の勝率がピタゴラス勝率と等しくなる点線の近くにプロットされている。6月好調であったオリックスは、先月の時点では実際の勝率がピタゴラス勝率を下回っていたが、今月は上回った。
参考:ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~5月編~
前半戦を首位で折り返すのは??
ここまで「平均得失点」と「ピタゴラス勝率」の観点から、各球団の6月の戦いを振り返った。セ・リーグはAクラスとBクラスの球団が分かれ始めている。一方、パ・リーグは1から5位のゲーム差が3.5ゲーム差(6月29日時点)と未だ混戦が続いている。前半戦を首位で折り返すチームはどこなのか、目が離せない。
Baseball Geeks編集部