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プロ野球

【プロ野球】今季は投手記録「引分」に注目!石山・松井が歴代記録を更新か!



目次
引分の通算記録トップは山口俊!
シーズン記録保持者は元阪神・藤川球児!
石山泰稚・松井裕樹が歴代記録を更新するか!
マイナーな記録「引分」を楽しむ

皆さんは「引分」という記録をご存知だろうか。勝利投手や敗北投手と同様に責任投手の一つで、引き分けになった試合で最後にマウンドに立っていた両軍の投手に記録される。延長戦なしの特別ルールが採用された今シーズン、この引分という記録に大きな異変が起ころうとしている。そこで今回は、これまであまり注目されてこなかった引分という記録から、今シーズンのプロ野球でのポイントを探る。

引分の通算記録トップは山口俊!

まずは、1995年以降のデータから引分の通算記録をみていく(表1)。トップを記録しているのは、現在ジャイアンツ傘下の3Aサクラメントでプレーする山口俊である。

表1 通算引分数ランキング(5月18日時点)

太字は現役選手。1995年以降の引分を対象

山口はかつて、DeNAで抑えとして活躍をした経歴があるが、ランキングにはその他にも多くのクローザーが名を連ねている。やはり、最終回など試合の後半に登板することが多い投手はこの引分という記録がつきやすいといえる。
参考:【独占】MLB挑戦の山口俊が語る!ピッチングスタイル確立のためのデータ活用

3位の石山泰稚はこの中では唯一の現役プロ野球投手であり、現在もヤクルトのクローザーをつとめている。今後、通算最多引分記録で1位になる可能性は十分にあるだろう。

シーズン記録保持者は元阪神・藤川球児!

では、引分はシーズンでどの程度記録されるだろうか。1995年以降では、藤川球児が2012年に11引分を記録してトップになっている(表2)。
参考:【プロ野球】得点圏でも失点を許さない!ピンチに強い投手ランキング

表2 シーズン引分数ランキング(5月18日時点)

1995年以降の引分を対象。7引分の投手は7名存在するため省略

また、上記のランキングは2011年・2012年・2020年の記録で占められている。これらのシーズンに共通する点は、延長戦に関する特別ルールが施行され、12回を待たずに引き分けが成立したということだ。社会情勢に関わるルール変更は、引分という指標に与える影響が大きいことがわかる。

余談だが、2011年の山口俊は「セーブ+引分」が両リーグで最多であった。クローザーとしてはタイトルに恵まれなかった山口であるが、引分というデータも考慮すると、最多セーブと同等の成績を残していたといえよう。同様に245セーブで引退した藤川も、引分を足すと250の大台を越えている。このように、引分に注目することで救援投手の活躍を再評価することができるといえるだろう。
参考:【2020年の山口俊の投球を分析!データからみえた特徴的な投球術とは!

石山泰稚・松井裕樹が歴代記録を更新するか!

最後に、今シーズンの引分ランキング(5/18時点)をみていく(表3)。首位は石山泰稚(ヤクルト)と松井裕樹(楽天)で、ここまで7引分を記録している

表3 2021年引分数ランキング(5月18日時点)

現在、シーズンは約3分の1を消化しており、このペースだと藤川のシーズン最多記録を大きく上回る可能性が高い。石山については、通算引分記録でもトップになることが予想される。さらに、5位にランクインした栗林良吏(広島)は今年デビューしたばかりのルーキーである。今までの新人最多記録は2011年の牧田和久(当時西武)の4引分であり、既に上回る成績を残している。記録をどこまで伸ばすことができるか注目だ。

今シーズンは延長戦が行われないため、救援投手のホールドとセーブ数が減り、引分の数が増えることが予想される。救援投手を評価する際は、この引分を考慮する必要が出てきそうだ。

マイナーな記録「引分」を楽しむ

今回は引分という投手記録に焦点を当て、救援投手の評価について考えた。取り沙汰されることが少ない記録であるが、試合を終わらせるという重要な役割であり、実力のある投手が多く記録していることがわかった。今シーズンは既に37試合の引き分け試合が成立しており(5/18時点)、シーズン終了時には累計200人以上の引分投手が生まれている可能性もある。引分についてどのような新記録が樹立されるのか、注目していきたい。

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Baseball Geeks編集部