有原航平のデータを初公開!メジャー初登板からみえた課題とは?
今シーズンから新天地テキサス・レンジャーズでプレーする有原航平。開幕2戦目で先発を任されるなどチームからの期待も高いが、5回3失点とメジャー初勝利はお預けとなった。同チームはアメリカンリーグ西地区を連覇した2016年以降、低迷が続いている。そこで今回は、有原のメジャー初登板をトラッキングデータで分析し、チームの救世主となるためのポイントを探る。
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豊富な球種が最大の特徴!
はじめに、4月4日(日本時間)のロイヤルズ戦での平均球速と投球割合をみていく(表1)。まず注目すべきは球種の豊富さである。様々なタイプの投手がいるメジャーでさえ、ここまで多くの球種を持ち球にする投手はかなり珍しい。メジャーでは球速がやや低速ではあるものの、これほど多彩な持ち球があれば打者は的を絞ることが難しいにちがいない。
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多彩な持ち球のコンビネーションで勝負!
続いて、各球種のボール変化量をみていく(図1)。投球割合が高い4シームは、ややシュート気味のボールで、空振りを奪いやすい球質とはいえない。やはり球速を考慮しても、速球主体というよりは、変化球とのコンビネーションで勝負するタイプだといえる。
スライダーは変化が大きく、いわゆるパワーカーブのような球質だ。他の日本人投手にはみられないタイプのボールだといえる。また、落差が大きなチェンジアップも特徴的だ。前田健太が投球するチェンジアップに似ており、奪空振りに期待が持てる。
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一方で、今回の投球で課題もみえてきた。ロイヤルズ戦での有原のボール到達位置に着目すると、かなり甘い真ん中付近への投球や、逆にストライクゾーンを大きく外れるボールが目立つ(図2)。多くの日本人投手が渡米後に悩まされるボールの違いなど、環境の変化といった影響も考えられるが、この点については早急に調整をしたいところだ。
初公開のデータを活かした投球に期待!
ここまで、有原のメジャー初登板の投球をみてきた。プロ野球ではトラッキングデータが一般公開されていないため、今回の登板が有原の投球データの初公開といえる。これらのデータを活かし、まずはお預けとなった初勝利を挙げること、さらに移籍1年目からチームの中心となる活躍に期待したい。
Baseball Geeks編集部