ピタゴラス勝率から振り返るプロ野球~3・4月編~
プロ野球が開幕して約1か月が経った。プロ野球が開催される日々に胸を躍らせ、球場やテレビの前で見入っているファンも多くいるだろう。
今回は、「得失点差」と「ピタゴラス勝率」という指標を用いて、開幕からここまで(4月25日時点)の各チームの戦いを振り返る。ピタゴラス勝率について、詳しくは下記の記事を見てほしい。
参考:データで順位を大胆予想!ピタゴラス勝率でみる今季プロ野球の展望は!
阪神・ソフトバンクが好発進!
まず、セ・リーグの得失点表をみていく(表1)。
阪神は、リーグの中で最も得点が多く最も失点が少ない。投手・野手ともに順調なスタートダッシュを切れていることが数字からもわかる。一方、最下位のDeNAは失点が135点と圧倒的に多く、投手陣の再建が急務だろう。新型コロナウイルスの影響でチームへの合流が遅れていたエスコバーやシャッケルフォードに期待したい。また、得点が一番少ないのは5位の中日である。失点の少なさはリーグ2位と投手力は高いため、得点力が向上すれば順位が上がってくる可能性も高そうだ。
参考:DeNAの新外国人シャッケルフォードを分析!ケガからの復帰を誓う大型右腕の活躍に期待!
次に、パ・リーグの得失点表をみてみよう(表2)。
得点がリーグで1番多いのはロッテだ。4月1日の11得点、4月2日の16得点、4月7日の9得点と、大量得点の試合が多くあったのが要因だろう。オリックスは、得点が失点を上回っているにもかかわらず5位に沈んでいる。投打がかみ合わない試合や、接戦をものにできなかった試合が多かったのではないか。最下位に沈んでいる日本ハムは、得点・失点ともにリーグワーストである。有原航平とニック・マルティネスが退団し、開幕から奮闘していた野村佑希が離脱するなどチーム状況は苦しいが、ここからの挽回に期待したい。
ピタゴラス勝率と実際の勝率はどれくらい違う?
次に、各球団のピタゴラス勝率と実際の勝率を比較していく(図)。実際の順位と、ピタゴラス勝率の順位は異なっている。
ヤクルト・広島・西武は、実際の勝率がピタゴラス勝率を大きく上回っている。ヤクルトは、青木宣親や内川聖一などの主力選手を欠いた期間もあったが、若手選手がその穴を埋めたといえるだろう。広島は栗林良吏・大道温貴らルーキーが勝利の方程式を担い接戦をものにしている。西武は、4月6日に13失点(2得点)、4月20日に11失点(3得点)と大量失点をしたが、ピタゴラス勝率の観点からみればいい負け方をしているとも考えられる。
一方、DeNA・オリックス・ロッテは実際の勝率がピタゴラス勝率を5分以上も下回ってしまっている。これらのチームは、統計的にはもっと勝てていてもおかしくないということだ。得失点差をどう勝利に結びつけるかが今後の課題といえそうだ。
今後の勝率の変化に注目!
得失点表とピタゴラス勝率の観点から、ここまでの戦いを振り返った。現時点では試合数が少ないこともあり、ピタゴラス勝率と実際の勝率が大きく異なる球団もあった。今年はこのような振り返りを毎月行う予定だ。昨年は開幕一か月後の順位と、ペナント終了後の順位は大きく異なっていた。今後どのように変化していくか注目したい。
Baseball Geeks編集部