澤村拓一が所属するレッドソックスってどんなチーム?投打のキーマンを紹介!
昨シーズン読売から移籍し、セットアッパーとしてロッテの躍進に大きく貢献した澤村拓一。そんな澤村は、シーズン終了後にFA権を行使してボストン・レッドソックスに加入することとなった。同チームは、過去に松坂大輔や上原浩治をはじめ多くの日本人選手が在籍しており、日本の野球ファンにもおなじみの球団であろう。そこで今回は、澤村が移籍することになったレッドソックスの近年の様子について解説し、投打のキーマンを紹介していく。
レッドソックスのチーム成績
レッドソックスはマサチューセッツ州ボストンに本拠地を置く、アメリカン・リーグ東地区の球団である。本拠地のフェンウェイ・パークは、メジャーで最も歴史のある球場だ。レフトスタンドに「グリーンモンスター」と呼ばれる極めて高いフェンスがそびえ立っていることで有名である。
まずはじめに、直近5年のチームの順位をみていく(図1)。レッドソックスは2016年からア・リーグ東地区を3連覇しており、そのうち2018年にはワールドシリーズを制覇した。しかし、主力選手の相次ぐ移籍などもあり、2019年から順位を落としている。特に昨シーズンは最下位に沈んでしまい、3年間で世界一からどん底までを経験することになった。
次に、昨シーズンのア・リーグ東地区の得失点表をみてみる(表1)。順位は最下位だったが、平均得点・平均失点では3位とオリオールズよりも優秀な成績を残していることがわかる。負け試合をつくることができなかったり、僅差の試合をものにできなかったのかもしれない。同地区のレイズには、筒香嘉智が所属しており、澤村との日本人対戦が実現するのかにも注目だ。
レッドソックスの投打のキーマンを分析!
C.セールの復活で投手力の向上なるか
続いて、投手の注目選手としてクリス・セールを紹介する。セールは、メジャー通算109勝を挙げている主力投手である。しかし、2019年は肘の違和感で満足のいくピッチングができず、2020年はトミージョン手術のため登板機会はなかった。今シーズンは実績十分の左腕が復活することで、チームの投手力が大きく向上するだろう。
各球種のボール変化量をみていくと、スライダーがかなり大きな変化をしていることがわかる(図2)。これはサイドスロー気味にリリースする投手特有の球質で、セールの場合、特に左打者から空振りを量産することができるだろう。また、2シームやチェンジアップといった逃げる系のボールも持ち球としており、幅広い投球の組み立てが可能である。
リスク管理表をみてみると、完全アウトとゴロの割合があわせて60%を超えており、失点リスクがかなり少ない投手であることがわかる。特に完全アウトはメジャー平均を大きく上回っており、奪三振能力に長けているといえる。今シーズンはケガからの完全復活を果たし、さらにパワーアップした姿に期待したい。
攻撃型ショートのX.ボガーツに注目
最後に、レッドソックスの看板選手であるザンダー・ボガーツを紹介する。デビューからレッドソックス一筋の生え抜き選手で、7年に渡って遊撃手のレギュラーとして活躍している。2019年には3割30本を記録するなど、確実性と長打力を兼ね備えたバッターである。
そんなボガーツの被リスク管理表をみてみると、完全アウトの割合がかなり低いことがわかる(図4)。三振の割合が低く、ボールにコンタクトする技術の高さがうかがえる。また、彼のように打力の高い選手を比較的OPSが低い守備型のポジションで起用できることは、チームにとっても大きなアドバンテージである。
チームを勝利に導く澤村のピッチングに期待
ここまで澤村の新天地であるレッドソックスと、その投打のキーマンについてみてきた。現在、チームには実績のあるリリーフ陣が少ないが、過去には岡島秀樹・田澤純一・上原浩治がセットアッパーとしてワールドシリーズ制覇に貢献している。彼らに負けず、澤村の投球がチームに勝利をもたらすことに期待したい。
Baseball Geeks編集部