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プロ野球

ソフトバンクの新外国人レイを分析!多彩な球種でゴロを打たせる投球に注目!



目次
多彩な球種をバランスよく投球!
「垂れる」速球で高いゴロ割合を記録!
先発ローテーションの一角を担えるか

2020年も盤石な強さをみせたソフトバンク。平均失点はリーグで一番低く、千賀滉大・東浜巨・石川柊太をはじめ安定した先発陣がそろっている。一方、昨シーズン6勝を挙げたムーアや6年間ソフトバンクに在籍したバンデンハークはチームを退団した。

そこで球団はこの穴を埋めるべく、メジャーで先発・リリーフ合わせて35試合の登板経験があるコリン・レイを獲得した。今回は2020年のトラッキングデータから、元カブスの軟投派右腕レイの投球を分析し、今シーズンの活躍を予測していく。
参考:【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~ソフトバンク編~

多彩な球種をバランスよく投球!

まずはじめに、平均球速と投球割合をみていく(表1)。
4シームや2シームといった速球系の球速はメジャー平均と同程度である。しかし、これは日本球界では速い部類に入るため、これまで以上の好成績を残してくれるかもしれない。

表1 各球種の平均球速と投球割合。5つの球種をバランスよく投球している

2020年のデータを分析。カッコ内はメジャー平均。

投球割合をみると、4シームが約40%を占めており、投球の軸といえる。そして、その他の4つの変化球はバランスよく投球されているため、打者は的を絞りにくそうだ。また、球種も豊富で幅広い球速帯のボールを投球できることから、長いイニングを消化する先発投手向きだといえる。昨シーズンのメジャーでの先発登板は2試合にとどまったが、ソフトバンクのローテーションを守る活躍に期待したい。
参考:「先発タイプ」ってどんな投手?持ち球からその適性を考える

「垂れる」速球で高いゴロ割合を記録!

続いて、ボールの変化量をみていく(図1)。
投球の中心となっている4シームは、ホップ成分がメジャー平均よりも小さく、いわゆる「垂れる」ボールである。そのため、打者はボールの上っ面を叩きやすく、ゴロを量産できそうだ。また、レイの4シームの球質は、2019年に読売に在籍していたライアン・クックに似ている。怪我の影響もあり好成績は残すことができなかったクックに代わり、高速かつ垂れる4シームで打者を打ち取る姿をみせてほしい。
参考:巨人の新外国人クックを分析!最大の武器は150キロ超の垂れるストレート!

図1 各球種のボールの変化量。4シームはゴロを打たせやすい垂れる系の球質

2シームは高速で小さく外に逃げる球である。そのため、4シームと同様にバットの芯を外しゴロを打たせやすい。スプリットは落差こそ小さいが、奥行きを利用していわゆるチェンジアップのような使い方ができそうだ。また、カットボールは一般的なボールよりも変化が大きいのが特徴だ。小さく動かしてゴロを打たせるよりも、スライダーのように空振りを奪う球質といえるだろう。そして、カーブの変化量は平均程度だが球速が速く、空振りをとるにもゴロを打たすのにも有効なボールになりそうだ。

図2 レイのリスク管理表。ゴロの割合がメジャー平均よりも高い

最後に、リスク管理表をみてみよう(図2)。
ゴロの割合が高く、打たせて取るタイプの投手だといえる。一方、完全アウトの割合は低い値を記録している。今シーズン、より多くの空振りを奪うためには、左打者への奥行き系スプリット、右打者への変化の大きいカットボールがポイントになるだろう。また、四死球の割合はメジャー平均と比べ1/3以下であることから、コントロールはとても安定していそうだ。

懸念材料としては、外野フライ+ライナー・本塁打の割合が高いことが挙げられる。昨シーズンは4イニングのみの登板とサンプル数が少ないものの、リスクの高い打球が高い割合を占めてしまっている。本拠地となるペイペイドームはホームランテラスがあり、ホームランが出やすいため長打には特に気を付けたいところだ。
参考:奪三振の重要性とは!勝てる投手のリスク管理能力を分析

先発ローテーションの一角を担えるか

今回は、レイの2020年の投球データを分析した。プロ野球では比較的高速な投手だが、空振りよりもゴロを打たせる投球が持ち味だ。チームにとっては、日本シリーズ5連覇がかかる今シーズン。レイが先発ローテーションの一角を担い、ソフトバンクの投手陣をより万全なものにできるか注目していきたい。

コリン・レイのプロフィール

Colin Rea
1990年07月01日生まれ(30歳)、右投右打
パドレス(2015-2016) ー マリーンズ(2016)ーカブス(2020)ーソフトバンク(2021)
【メジャー通算成績】
35試合 8勝8敗0セーブ 防御率4.79

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BaseballGeeks編集部