【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~西武編~
昨シーズンまで2年連続でリーグ優勝を果たした西武。3連覇を目標に臨んだ今シーズンだが、シーズン終盤に差し掛かっていながらBクラスに沈んでいる。昨シーズンまでの強さを取り戻すためには今後どのような選手を獲得し、育成していくべきだろうか。
今回は、各選手の成績や年齢構成から、来週頭に実施されるプロ野球ドラフト会議で獲得すべき選手像について探っていきたい。
参考:【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~阪神編~
ワースト記録が続く投手力が課題
まず初めに、ここまでのパ・リーグの順位表をみていく(表1)。現在リーグ4位の西武は、リーグ最多の平均失点を記録している。2018年からリーグワーストの失点数が続いており、投手陣の課題の大きさが顕著である。リーグ連覇中は「山賊打線」と呼ばれた超強力打線で投手力の低さをカバーできていた。
しかし、今シーズンは平均得点もリーグ5位と、打撃陣の不調により昨シーズンまでの躍進がみられない。今後も投手力の向上が課題といえそうだ。
※10月14日時点
平良海馬の先発ローテ入りに期待!
続いて、今シーズンの投手陣の投球回と年齢をみていく。(表2)。髙橋光成・ニール・松本航の3選手を中心にローテーションを組まれているが、その他の投手たちの投球回は少なく、先発投手の頭数が足りていない様子がうかがえる。ただ、投手陣の平均年齢は低く、20代前半の選手たちの成長次第ではシーズンを通してローテーションを守れる投手が増えていくことも考えられる。
特に、現在中継ぎで起用されている平良海馬は20歳という若さながら、好成績を残し勝利の方程式の一角を担っている。新人王の期待もかかる平良はオープン戦では先発の経験もあり、今後の起用法には注目である。
※年齢は4月2日時点、成績は10月14日時点
しかし、若手投手の成長を待つばかりでは失点数のワースト記録の早期改善は難しいだろう。ドラフトでは、実績のある社会人投手のような即戦力の獲得が重要なポイントとなるかもしれない。
外崎・森・中村の打撃力低下をカバーできるか
次に野手陣の打席消化数をみていくと、主に中堅~ベテラン選手が打席数を消化していることがわかる(表3)。中でも、外崎修汰・森友哉・中村剛也は昨シーズンから主軸として起用されているが、今シーズンは打撃成績が大きく低下している。加えて、昨シーズン高い打撃成績を残していた秋山翔吾の移籍もあり、今シーズンの得点力低下につながっているといえる。
参考:【パ・リーグ】Bクラスの前半戦をポジション別OPSから分析
※年齢は4月2日時点、成績は10月14日時点
また、外野陣として起用され、多くの打席を消化している栗山巧・木村文紀・金子侑司などは年齢的にピークを過ぎている。中でも栗山は好成績を残しているが、年齢的にいつ衰退し始めてもおかしくない。今シーズンはスパンジェンバーグの補強が功を奏しているものの、今後さらなる対策が必要になるかもしれない。
投打ともに即戦力の獲得が必須か!
最後に、ポジション別の年齢構成から今後の戦略について考える(表4)。投手陣は、各年代に均等に選手が在籍している。近年のドラフトでは宮川哲・松本・齋藤大将と即戦力の投手を1位指名してきた。しかし、投手力に大きな改善はみられていない。10代~20代前半の投手はまだまだ育成に時間がかかるため、引き続き即戦力の投手の補強も必要だろう。
※年齢は4月2日時点、所属は10月14日時点
野手陣をみると、内外野問わず20代前半の選手の少なさが目立つ。現在のように、既にピークを迎えている中堅~ベテラン選手だけでは得点力は減少を止めることはかなり困難である。彼らの中には打撃力の衰退が見え始めている選手もいることも考慮すると、若手投手陣が全盛期を迎えるタイミングで再び強力な山賊打線を復活させるためには、短い育成期間で世代交代の準備を整えられる選手を獲得していきたい。
- ドラフトで獲得すべき選手像
①年間を通してローテを守れる即戦力先発型投手
②次世代の山賊打線を担う即戦力のスラッガー
③高齢化に歯止めをかける高卒・大卒野手
Baseball Geeks 編集部