【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~楽天編~
2013年以降、リーグ優勝・日本一から遠ざかっている楽天。昨シーズンオフには、涌井秀章・牧田和久・鈴木大地といったベテラン選手たちの移籍で話題となった。現在Aクラスで終盤戦を迎えており、即戦力の補強により優勝への足掛かりを掴んでいる。
今回は、楽天に所属する各選手の成績やポジション別の年齢構成からドラフトで獲得するべき選手について探っていく。
参考:【ドラフト特集】年齢構成からみる各球団の補強ポイント~日本ハム編~
リーグ屈指の得点力を記録
今シーズンの楽天は平均得点がずば抜けて高く、リーグ1位を記録している。ここまで、圧倒的な打撃力で勝ち星を積み重ねているといえる(表1)。一方、平均失点はリーグ5位と大きく足を引っ張っている。今後のチーム戦略は、この高い打撃力が衰退するまでにどれだけ投手力を向上できるかがポイントになるだろう。
※10月7日時点
涌井秀章が高い貢献度でチームを牽引!
各投手の投球回消化についてみていくと、涌井が最も投球回を消化している(表2)。2番目の則本昂大とは20回以上の差があり、涌井の貢献度の大きさがうかがえる。しかし、既にベテラン選手の域に入る年齢であり、投手としてのピークは過ぎている。投手力の向上を目指していくためには、特定の選手に頼るだけではなく、今後の成長に期待できる若手投手の起用も増やしていきたい。
※年齢は4月2日時点、成績は10月7日時点
実際にその他の投手をみると、20代前半の若手選手が消化している投球回が少なく、既に全盛期を迎えている中堅~ベテラン選手の出場が中心となっていることがわかる。このままでは、これ以上の投手力向上は見込めないだろう。球界屈指の打撃力が衰え始める前に投手力の底上げを目指すために、若手投手の育成に時間をかけずに即戦力として活躍できる大卒・社会人投手の獲得が必要になるだろう。
小郷裕哉ら若手の成長に期待!
続いて、各打者の打席消化数をみていく(表3)。打席消化数の上位には、本塁打で両リーグトップの浅村栄斗をはじめとする中堅選手が多く名を連ねている。一方、20代前半の若手の中にも多くの打席を消化している選手もいる。彼らの成長次第では、長期にわたって打撃王国を築き上げることも十分可能だろう。特に、プロ2年目の小郷裕哉は打席数こそ少ないものの高い打力を見せつけており、今後の活躍に大きな期待が持てる。
※年齢は4月2日時点、成績は10月7日時点
一方、30歳を超える中堅~ベテランの選手の中で、高い得点力を記録することができていない選手も見受けられる。打撃面において、今後彼らの成績が飛躍的に好転する可能性は極めて低い。このことを踏まえると、多少得点力が低くても、今後の成長が見込める若手選手を積極的に起用していきたい。
投手は即戦力・野手は将来性を求めたい!
最後に、チームの年齢構成から今後の戦略を考える(表4)。投手陣をみてみると、既に全盛期を迎えている20代後半の選手が多いことがわかる。現在好成績を残している選手は良いが、そうでない選手を起用し続けても課題である投手力の向上にはつながらない。先述した通り短期間で投手陣の立て直しに貢献できる大卒・社会人投手の獲得が必要かもしれない。
また、即戦力となる選手の獲得で一時的に投手力を向上させるだけでなく、高卒投手のように長期間の活躍が期待できる選手を獲得・育成することも重要になってくるだろう。
※年齢は4月2日時点、所属は10月7日時点
野手陣をみていくと、22歳以下の若手選手がかなり少ないことがわかる。現在、20代の若手選手と30代に差し掛かった中堅選手がバランスよく出場し、高い打撃力を記録している。彼らの成績が年齢的に大きく衰退していくまでには多少の猶予がある。そのため、この期間に高卒・大卒で次世代のスラッガーとして期待が持てる選手をじっくり育成するのも良いだろう。
- ドラフトで獲得すべき選手像
①即戦力で活躍できる大卒・社会人投手
②次世代の主軸となる高卒・大卒スラッガー
③長期間の活躍が期待できる高卒投手
Baseball Geeks 編集部