現役最強の4番打者は誰?プロ野球OPSランキング
野球において、1番から9番までの打順をどのように組むかは、得点力を高めるうえで重要なポイントであるといえる。その中でも、4番打者はまさにチームの顔であり、4番打者の活躍に期待を寄せるファンも多いだろう。
今回は、昨シーズンおよび今シーズンのプロ野球のデータから、最強の4番打者について探っていきたい。
最強の4番打者は日本の4番・鈴木誠也!
ではまず、昨シーズン4番として50打席以上出場した選手の中で、4番時の成績が良かった選手たちをみていこう(表1)。
4番で50打席以上の選手が対象
4番としてのOPSが最も高かったのは広島・鈴木誠也だった。ほとんどの試合で4番に座り、OPSだけでなく打率や出塁率などでセ・リーグトップの成績を記録した。昨年11月に開催されたプレミア12でも日本代表の4番として勝負強さを見せつけ、見事MVPに輝いた。まさに最強の4番打者と呼ぶにふさわしいだろう。
参考:打者の評価指標OPSとは!
ロッテ・角中勝也は4番で本領発揮?
では続いて、4番時のOPSと4番以外でのOPSを比較して、4番に座ることで力を発揮した選手たちについてみていこう(表2)。
4番で50打席以上、4番以外で100打席以上の17人の選手が対象
4番に座ることで最も打撃成績が向上したのはロッテ・角中勝也だった。4番時のOPSが4番以外でのOPSを上回っている選手は17人中5人しかいなかった。その中でも、角中はOPSの差分がダントツだ。4番に座ることで狙い球を絞りやすくなったのか、そもそもプレッシャーに強いのか、ここまでOPSの差分が大きいのは非常に興味深い。
4番時のOPSと4番以外でのOPSとの差分が最も低かったのはソフトバンク・グラシアルだった(差分OPS:-0.342)。4番以外でのOPSは1.130と非常に高いものの、4番時のOPSは0.788まで低下している。選手の兼ね合いや戦略もあるため一概には言えないが、このようなデータを用いて打順を組むことも、チームにとって重要な戦略の一つとなるかもしれない。
今シーズンの4番打者の成績は?
では最後に、8月10日時点での各チームの4番打者の打撃成績についてみてみよう(表3)。
8月10日時点で最も4番での出場機会が多い選手が対象
昨シーズン最強の4番打者・鈴木の打撃は今シーズンも健在だ。しかし、広島は8月10日現在でセ・リーグ5位と低迷している。4番打者が活躍していても打線がかみ合わず、チームとしては結果を残せていない。今後、打線としてのつながりが出てくるかはチームの順位を占ううえで重要なポイントとなりそうだ。
楽天・浅村栄斗はOPSと本塁打数でパ・リーグトップの成績を残しており、まさに4番としての役割を全うしている。楽天は8月10日現在でパ・リーグ同率1位。4番の活躍が確実にチームの快進撃を支えているといっていいだろう。
参考:打者の長打力の評価指標IsoPとは!
4番を中心に打線がかみ合うかがポイント
今回は、4番打者にスポットを当てて打撃成績を分析してきた。今シーズンの楽天のように、4番打者を中心に打線がつながることで、得点力向上が見込めるだろう。今シーズンの約3分の1の日程が終了したプロ野球。今後もチームの動向に注目したい。
Baseball Geeks編集部